インスタよりも、心に映える。台東区で巡る「ものづくりの聖地巡礼」とは

「谷根千(やねせん)」に代表される下町情緒あるエリアをもつ台東区。もちろん、そんなインスタ映えする街並みもいいけれど、実は、手で触り、目で見れば、その精巧な職人技に心も映える、「ものづくりの聖地」としての魅力ももつ土地。
江戸の頃からさまざまなジャンルの工芸の職人が集まるこのエリアですが、今ではその伝統を継ぐ職人たちに増して、若い才能あるデザイナーやクリエイターも集まり、個性的で質の高い製品を作り出しています。この聖地を巡れば、あなたのオシャレ感度も、文化的感覚も、ちょっとステージアップするかもしれませんよ。

01.
食べるより飾りたい飴細工体験ができる
飴細工アメシン(浅草)

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熱して柔らかくなった飴を3分ほどで、金魚や鳥など本物かと思うくらい精巧に作る飴細工。その時間内に作品を作り上げることを考えれば、それだけでも職人の素晴らしい技術が想像できます。ハサミと指先だけで仕上げる流れるような様子は、芸術そのもので、飴とは信じられないくらいの完成度です。代表を務める手塚新理さんは、日本の伝統技術の保持と、今までに見たことがないような革新的な飴細工を生み出すことを目指し職人の道へ進んだとのこと。

90度ほどに熱した飴をさまざまな形に

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こちらでは、職人さんたちによる飴細工が展示されている中、実際に制作を体験することもできます。ひと通りの説明を受けた後、ウサギなどの簡単なモチーフを作っていきますが、多少の失敗も大丈夫。その人だけの味のある作品が出来上がります。職人さんになったつもりで自分で作り上げた作品なだけに、大切に飾っておきたいという気持ちになるのではないでしょうか。

職人の素晴らしい技術を想像しながらひと休みも

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店内では飴珈琲や飴紅茶をいただけるので、展示された飴細工の作品を眺めながらひと息つく、というのもおすすめ。綺麗なものを眺めるだけでも心が華やぐ気もします。こちらのアメシン浅草本店では体験教室をメインで開催しているので、飴細工の購入や見学だけをしたいという場合は、東京スカイツリータウン・ソラマチ店へ足を運ぶのもいいかもしれません。

飴細工アメシン  浅草本店工房
住所:台東区今戸1-4-3 1F
電話:03-5808-7988
営業時間:11:00~18:00
休:木曜定休(臨時休業有り)

02.
自由な発想のもとでできる自分だけの鞄
クニコズファクトリー(浅草)

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浅草の小さな町工場が立ち並ぶエリアに足を運ぶと、吉田カバン創業者・吉田吉蔵さんの記念館があります。そのビル2階で、吉田吉蔵さんの次女、野谷久仁子さんが30名ほどの生徒さんに鞄作りを教えているのがここ。基本の作り方を教えてもらったら、あとは自由に作品作りをしていいそうで、生徒さんたちは思い思いの作品を和気あいあいと楽しそうに作っています。

吉田カバンのモットー“一針入魂”の精神を垣間見る

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かなり厚めの革も扱っていますが、どんなものでも普通の木綿針2本のみで縫い上げます。ひとつの穴の中で糸が交差するように縫うので、片方の糸が切れてもほどける心配はナシ。吉田カバンのモットーでもある“一針入魂”の精神が垣間見えます。久仁子さん一番のこだわりは、日常で使ってもらうものであること。作った作品は日常使いをして風合いや色合いの変化を楽しんでほしいそうです。

楽しそうに革と向き合う鞄作りのレジェンドに学ぶ

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生徒さんは随時募集しているようですが、継続希望の人が多く、曜日によっては空き待ちとなることも。生徒の皆さんは野谷久仁子さんから直接指導してもらえるので、その“一針入魂”の精神を学び、ものづくりの心が得られるかもしれませんよ。

★観光地浅草の奥座敷、革靴の生産出荷額日本一を誇る「革のまち」である奥浅草エリアを中心に、ものづくりのDNAが息づくまちの魅力を体験できるイベント「革とものづくりの祭典 浅草エーラウンド」に参加しています!
クニコズファクトリー/吉田カバン創業者吉田吉蔵記念館
住所:台東区今戸1-4-7
電話:03-3876-4655

03.
カジュアルに江戸型染の魅力に触れられる
ポンピン堂(浅草)

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浅草北部にある、元は診療所だったという建物をセルフリノベーションした「ポンピン堂」。江戸型染という技法で染められた生地で守り袋や座布団などを作っている工房です。気軽に染物の魅力に触れてもらうため、伝統的な技法の中で、染物の本質は変えずに多少の工程を省いてカジュアルにしたものが「ポンピン堂」のアイテム。

手作業による微妙な違いに心ひかれる

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丁寧にひとつずつ手作業でポイントとなる色や柄を描いていく品々は、少しずつ表情に違いがあり、ついつい揃えたくなってしまう不思議な魅力があります。消耗品というわけではないので、流行に流されず「長く作り続けること」が至上命題と語る店のご主人からは、強い思いが感じられました。

日常的に使いたい江戸型染物のアイテムたち

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反物だとなかなか手が出ないような価格になりますが、守り袋や巾着であれば日常的に使えます。こちらの工房では見学や販売を行っていないのですが、その魅力ある商品を実際に目で確かめ、丁寧な色使いを心に刻みたいという場合はHPから取扱店舗をチェックしてみてください。

★観光地浅草の奥座敷、革靴の生産出荷額日本一を誇る「革のまち」である奥浅草エリアを中心に、ものづくりのDNAが息づくまちの魅力を体験できるイベント「革とものづくりの祭典 浅草エーラウンド」に参加しています!
ポンピン堂
住所:台東区橋場1-34-2
電話:03-5808-9770

04.
ベッ甲が光沢を生む過程に技術力あり
赤塚ベッ甲製作所(谷中)

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東京メトロ千代田線・千駄木駅から徒歩で約10分、小さなお店が立ち並ぶ住宅街の一角にあるベッ甲製品の製作所。現在で職人歴23年ほどの店主も、元々は会社員をしていたのですが、その技術に魅せられ一念発起し、父親から受け継いだのだといいます。天然素材ならではの色合いを大切に作り上げられた製品の数々は、職人による手の感覚を研ぎ澄ませた地道な作業を経て生まれていきます。

丁寧な作業を経て生まれるベッ甲の美しさ

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想像以上に薄いベッ甲は、何枚も貼り合わせて製品になります。貼り合わせるときには水と熱、そして圧力だけでつけていくというのだから驚きです。丁寧に丁寧に削り、磨かれていくので、製品になったときには貼り合わせていることはわかりません。実作業を見れば、改めて技術力の高さに感じ入ることでしょう。

光沢ある作品を生む手作業を見に谷中へ

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少しずつ手の感覚を頼りにベッ甲を削っていく職人らしい作業の様子は、見学するのも可能になっています。下町風情を感じる谷中散策とあわせて立ち寄ってみれば、光沢ある美しい作品が生まれる様子に、心の映えを感じるのでは。

★~受け継がれる江戸の心~
台東区公式伝統工芸品サイトをチェックしてください!
有限会社 赤塚ベッ甲製作所

住所:台東区谷中7-6-7
電話:03-3828-7957
営業時間:9:00くらい~19:00(土日~17:00)
休:不定休

05.
大量生産にはない、革製品の本当の魅力
Alt81(蔵前)

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都営浅草線・蔵前駅を降りて大通りから1本入れば、路地にぽつんとある「Alt81」に辿り着きます。オーソドックスなデザインのメンズ革アイテムのブランドショップですが、並ぶアイテムは、「質感の違い」を一目で感じるものばかり。大量生産では成しえない革製品の魅力なのかもしれません。

職人と革への愛情に、聞いているこちらもワクワク

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「Alt81」へ訪れたら、職人さんのものづくりの素晴らしさ、技術の高さ、価値を見出してもらうためにブランドを立ち上げたという代表・高崎さんと話ができるといいかもしれません。革やアイテム、職人さんの技術の素晴らしさについて時間を惜しまず語ってくれ、職人さんへのリスペクトや革への愛情を感じることができます。

上質ライフを期待できる革製品が並んでいる

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すっきりと整頓された店内のアイテムは、どれも飽きのこないシンプルなデザイン。シンプルだからこそ高い技術が要求され、ベテランにしか作れないものになっています。職人さんによる熟練の技を感じるアイテムは、気持ち的にもワンランク上質な生活をもたらしてくれそうです。

★古くから製造/卸の集積地としての歴史をもつ台東区南部の徒蔵(カチクラ)エリアを歩きながら、「まち」と「ものづくり」の魅力に触れられるイベント「モノマチ」(今年は5/25(金)〜27(日)の3日間開催)に参加しています!http://monomachi.com/
Alt81 蔵前店
住所:台東区蔵前2-1-23 蔵前立沢ビルA号
電話:03-5809-2117 
営業時間:11:00~19:00
休:水・木・金曜 定休/※定休日が祝日の場合は営業
※電話予約すれば臨時で開店の場合もあり

06.
「作家」が造るハンドメイド腕時計
ARKRAFT(蔵前)

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ハンドメイドのこだわり腕時計が人気の工房兼店舗。もともと店主の父親の故郷が浅草で、小さい頃から馴染みある台東区に構えることになったといいます。店内も時計に合わせたアンティーク調でまとめられていて落ち着いた雰囲気。ここのハンドメイド時計は、文字盤、ケース、ベルトなど、内部機械以外のほとんどの工程をオーナーひとりでこなしていて、細部にわたったものづくりの奥深さに触れることができます。

時計職人というよりは時計作家です

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この「ARKRAFT」では、造り手はクリエイターであると考え、時計職人というよりは時計作家という言い方をしているといいます。各工程に合わせた道具を使用して、細かい作業をスピーディーにこなしていくことで生まれる時計。ぜひ手にして、時計作家が込めた技術の粋を間近で確認するのもいいですね。

多くの人に楽しんでもらうため価格もおさえた設定

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高価になりがちな製品ですが、「ARKRAFT」では少しでも気軽に購入してもらえるような価格帯に設定。カスタムオーダーにも対応していて、文字盤に名前やメッセージも入れられるのが特徴で、ギフトとしても人気のアイテムが造られています。大切な方へのプレゼントに、素敵なモノを見つけられるかも。

★古くから製造/卸の集積地としての歴史をもつ台東区南部の徒蔵(カチクラ)エリアを歩きながら、「まち」と「ものづくり」の魅力に触れられるイベント「モノマチ」(今年は5/25(金)〜27(日)の3日間開催)に参加しています!http://monomachi.com/
ARKRAFT
住所:台東区鳥越2-1-7-101
電話:03-5820-5901
営業時間:13:00~18:00
休:日曜祝日定休(不定休あり)

 

江戸時代からの伝統工芸が今も継承され、全国的に有名な靴、バッグ、帽子、ジュエリー、アクセサリーなどの産地として知られる台東区。土地に根付いた精神は、今日も脈々と受け継がれ、新しいものづくり文化も生んでいます。

今回巡った6カ所をはじめ、ものづくりの神髄に触れることができる場所がいっぱいの台東区へ、心の成長を求めて訪れるのが「粋」だったりするのかもしれませんね。


そんな台東区が期間限定のセレクトショップ「台東ファッションザッカマルシェ」をオープン。靴・帽子・ベルト・革小物など、全9ブランドの素敵なアイテムを3/16(金)~3/18(日)の3日間限定で販売。この機会にものづくりの街台東区の魅力に触れてみてはいかがでしょうか。

【イベント詳細】
期間:2018年3月16日(金)~18日(日)
時間:11:00~18:00
場所:浅草ライオンビルディングスタジオ
   東京都台東区雷門2-11-10
http://www.taito-zakka-fair.jp/
東京都台東区の地場産業である、靴、鞄、バッグ、帽子、ベルト、レザーなどのファッション雑貨産業の振興と活性化を目的とした3日間のイベント。
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