空間作りのプロが教える。心の底からリラックスできる家づくり「4つのポイント」

profile_keizo八納啓創株式会社川本建築設計事務所代表取締役。1級建築士。広島と東京を拠点に「快適で幸せな建築空間づくり」を専門にする建築家。設計活動を行う傍ら、全国的に講演活動や執筆活動を行っている。

私はこれまでにたくさんの家づくりをお手伝いしてきましたが、常に住む人が安らげるということを大切にしています。リラックスできる家に住んでいれば、家族も自然と幸せになっていくのです。ここでは、心の安らぎを引き寄せる空間について、4つの方法をご紹介します。

01.
「いちばん集いたい場所」は
リビングルームにする

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思春期の子供が外から帰ってきて、家族のいるリビングルームを通らずに自分の部屋にこもってしまう現象が取り沙汰されたときに、「リビングルームに階段をつくって、そこを通らなければ自分の部屋に行けないつくりにすればいい」という説はよく言われることです。しかし、玄関から入ってすぐに階段を上って子供部屋に行ける家でも、リビングルームに集まって和気あいあいと団欒する家族はたくさんいます。

「北風と太陽」の寓話ではありませんが、子供が自然と自室から出てくる流れを促す方が、強制的にリビングルームを通らなければ部屋に行けない仕組みを作るより、ずっと効果的です。したがって、家の中でいちばんメインの場所は子供の部屋にするのではなくて、部屋の外に出てきて集いたいという場所にするのがポイントです。

家族にとって本当にいい家づくりを考えるのなら、リビングルームを家の中でいちばん居心地のいいつくりにして、自然と家族が集まりたくなるような場所にすることが大切です。

02.
あえて暗い部屋を
作ることにも意味がある

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全面にガラス窓をつけて光あふれる部屋に住むなどというスタイルは、ごく最近のものです。昔は昼間でも、電気をつけないと暮らせないような家も多かったのです。その反動で現代では、電気を使わなくても明るい家でなければいい家ではないという、これまでの逆に振れている感があります。

その価値観がいきすぎると窓はどんどん大きくなり、部屋全体に光が行き届くようになっていきました。その結果、なぜか妙に落ち着かない空間ができあがります。実は家全体のバランスを考えると、意図的に暗めの部屋をつくることにもちゃんと意味があるのです。

家中どこもかしこも明るい光が降り注いでいたら、逆に息がつけずに疲れてしまうこともあります。明るいだけでは落ち着かないし、休まらないということを知っておきましょう。これは昼間の日光だけではなく、照明にも言えることです。

03.
木材の「香り」は
柔らかいものを選ぶ

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アロマテラピーやルームフレグランス、あるいはお香のように、後から家に加えられる香りもありますが、ここで意識したいのは、家に使われる材木が放つ天然の香りです。

ただ、ひとつ気をつけなければいけないのは、ヒノキやスギなど、アロマテラピーでもおなじみの強い香りを持つ木材は、大人にとってはいい香りだと感じますが、子供には少々きつく感じるときがあるということです。

子供に限らず、匂いに敏感な人には十分注意が必要。家はずっといる場所なので、あまりにも匂いが強い木材を全般的に使うのは控えた方がいいでしょう。比較的安心な香りは、どちらかというと柔らかいパイン、オーク、サクラ、メープルなどです。これを参考にして、使う材料を考えてみましょう。

04.
しまいこまず、捨てず、
「もらってもらう」

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ものをきちんと収納することは、ストレスを解消していく上でとても重要です。そのためには、持ち物が多すぎないか注意する必要があります。

日本の家には、欧米の家に比べて物が2倍から3倍あるといわれています。それなら収納を増やせば解決するかというと、そういうわけでもありません。収納が多ければ多いほど、物が増えていくのです。物が増える体質を改善して初めて、物と心の調和の取れたシンプルな生活が実現するのです。とはいえ、いらないものを捨てようとしても、なかなかうまくいきません。「捨てる」という行為に罪悪感があるからのようです。

そういう人には、ものを捨てる技術ではなく、「物をもらってもらう技術」を磨くことをおすすめします。我が家は「おすそ分けしたいものをここに置いておきます。欲しい方はお持ちください」と書いた段ボール箱に入れて、家の前に置いておくことで、荷物を1/3にまで減らしました。基本的に「もらっていってもらう」という意識をベースにしていくと、罪悪感もなく減りやすいと言えるでしょう。

住む人が幸せになる家のつくり方
コンテンツ提供元:サンマーク出版

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。