お手本は「日本家屋」。外見からじゃ想像できないほど快適なタイニーハウス
この家、外から見るとなんだか小さくて狭そうですよね。実際、床面積はたったの18㎡(約9.8畳)。
でも中に入ってみるとびっくり、とっても快適な空間が広がるタイニーハウスなんです。
そんな家をつくり上げたのは、アメリカの建築家Chris Heiningeさん。ヒントになったのは、なんと「日本家屋」でした。
人口密度がとっても高いことで知られる日本。その土地事情から、狭いけれど空間をうまく活用した家が多く、海外から来た人はみんな驚くのだとか。
そんな日本に20年間住んでいたというChrisさん。建築家の目から見ると、日本の家屋は限られたスペースを活用する知恵に溢れた、素晴らしい設計なのだそうです。
日本に倣って
限られた空間を有効活用
これは1階。シンプルな設計で余計なものがないので、部屋が広く見えます。
「日本家屋の素晴らしい点は、デザインがすっきりしていること。まったくごちゃごちゃしていないよね。ここが一番、インスパイアされた部分だよ。色や模様も素晴らしいしね」
と語るChrisさんの言葉通り、とても整然としています。
右手に見えるドアは、窓とデザインをそろえたガラス製。壁の面積が限られているため、ドアをそのまま採光に使ってしまおうという大胆発想。外が見えることも、広く実際以上に広く感じられるポイントです。
自然の素材で
シンプルに
木などの自然の素材を活用した、シンプルなインテリアデザインも日本流。すっきりした形と素朴な色が安らぎを与えてくれます。
円形の窓がいかにも伝統的な日本のデザインですが、巧みなアレンジでモダンな印象に仕上げられています。暖かな色の照明もいい感じ。「壁も100%日本の伝統に倣った」そうです。
日本ならではの
階段箪笥(かいだんだんす)も
階段の下やソファの下など、ありとあらゆるところに引き出しがつけられています。これも、日本家屋からヒントを得ているとか。
「階段箪笥って、空間を有効活用するための素晴らしい発想だよね。僕も設置してみたよ。日本独特の急な階段は、危ないから取り入れなかったけどね!」
これは2階。ゆったりくつろげるよう、クイーンサイズのベッドが置かれています。
移動も自由自在
このタイニーハウス、解体・組み立ても簡単にできるよう設計されています。2階部分は取り外さなくてはいけませんが、1階部分はなんとそのまま移動も可能という便利さです。
日本の技術と発想をふんだんに取り入れて造られたこのお家、なかなか居心地が良さそうだと思いませんか?