意外なことに、スキーの起源は「中国」にあるらしい
スキーの発祥の地に関しては、さまざまな説がある。有力なのはノルウェーだろうか。同国は、しばしば冬季五輪の超大国と言われる存在。ルーツがあると言われても、特になんの違和感も感じない。
しかし、ここで紹介する動画は「中国にその起源がある」とするもの。2000年以上前に、新疆ウイグル自治区内のアルタイ地区で行われていた「狩り」こそが、スキーの元になっている、と。
Photo by Narrows Media Inc.
ここは、アルタイ地区のKhomという場所。動画によると、ここがスキー発祥の地のひとつらしい。
それを証明するのが、この「壁画」。やや分かりづらいかもしれないが、中央上部にスキー中の狩人、その下には獲物の鹿の姿が描かれている。
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「スキーは、僕たちの祖先の狩りの道具だった」
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ここでは、受け継がれているスキー板の製作方法を紹介。
まず、倒れている木を拾ってノコギリでカット。なるべく滑らかにするため、ヤスリもかける。
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そして、お湯を晒しながら先端をそり返させる。これは雪に埋まってしまうのを防ぐため。
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動物の皮を細く切ったもので、足を固定。
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最後に、馬の毛皮を板の裏に装着。滑るスピードを高めるため、獲物を逃がさない。
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彼らは一度山の上まで登り獲物を探す。そして、見つけたら一気に滑り降り、持っている長い棒で突き刺すのだという。
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しかし今では、この狩りは違法になってしまった。現地人のMeyrbekさんは言う。
「多分、30年後には昔ながらのスキーは忘れられてしまうと思う。教えることもできていないし、受け継ぐ人も少ない。都市部に住みたい、という理由でこの地を離れる人の気持ちも分かる。
でも、何千年もの伝統をここで絶やすわけにはいかないんだ」
長年に渡って受け継いできたものを、自分たちの代で途絶えさせるわけにはいかない。でも、法律がそれを許さない。彼は、そんなジレンマに苦しんでいるのかもしれない。
一方、都市部では…
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中流階級層が多くなっている中国では、スキーはトレンドの一部となり趣味として楽しむ人が増え続けている。動画によると、スキー場は1990年までは1つもなかったが、2016年には568箇所まで増えているそう。ちなみに、北京周辺では人口雪を使用。
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スキー人口が増え続ける都市部と、人が離れ伝統が途絶えつつある地方。この状況には、動画の冒頭にあるように、「2025年までに2億5千万人を都市部に移住させる」という中国政府の政策が大きく関係していると言えるだろう。