死と隣り合わせの「カップルフォト」
これ、いわゆるカップルフォトなんですけど。
まず、生身の人間がパッキングされていることに衝撃を受けますよね。そして「身にまとっているものたちは、なにを表しているの?」と疑問を抱きますよね。
作品を手がけたフォトグラファーHalさん曰く、高密度のカップルフォトを撮りたくて、考えに考え抜いたすえにたどり着いたスタイルが、これだったんだそうで。
「Hanae&Ryuki」
「Flesh Love Returns」では、カップルが惹かれ合うパワーを表現するために、彼らを真空パックし、密着させて撮影しました。第二弾として、愛のパワーを表現する新しい方法はないか試行錯誤していたときに、「一生を終えた星は、収縮してブラックホールになり、あらゆる物を吸い寄せる」というはなしを思い出したんです。
そこで、ふたりが生活のなかで愛してやまない物たちごと真空パックしてみました。一見すると無秩序なものを身にまとっているようですが、胎児が、母親のお腹で生きるために必要な羊水のように、すべては彼らがこの社会で生きていくうえで必要な物たちです。渾然一体となったこのポートフォリオには、彼らのパーソナリティーや美が凝縮され、愛のエネルギーが充満しています。
「Aibo&Tatsuya」
なんといっても「真空」ですから、撮影は死ととなりあわせ。被写体のカップルはもちろん、Halさん自身も、寿命が縮まるかと思うほどの覚悟で挑んだといいます。
「Yumiko&Tomoyuki」
「Mika&Daisuke」
「Usagi&Daisuke」
「Megumi&Kyohei」
「Nic&Motoko」
ふたりの交わり方もちがえば、まわりにあるものもまったくちがう。愛のかたちって、ほんとうにカップルそれぞれです。
わたしもいつか、愛する人と一緒にこの中に入りたい!Halさん、そのときは、どうぞよろしくお願いします。