「日本のチーズケーキの父」の味を受け継ぐお店

チーズケーキの本場・ヨーロッパのレシピを日本人好みにアレンジして、広く世の中に普及させたパティシエが長崎にいました。そのレシピは今も代々変わらず受け継がれ、この街のなくてはならない味となっています。

「チーズケーキの父」が
開いた長崎の老舗洋菓子店

© 2018 Akihiro Fujimoto

長崎県島原半島、雲仙岳のふもと近くにある洋菓子店『ガトーフリアン』。季節の素材を使ったケーキを中心に、多彩な洋菓子を揃えており、顔なじみの常連客が次々に立ち寄ります。

お店の一番人気はチーズケーキ。オーナーである中村信次さんは“日本のチーズケーキの父”と呼ばれており、かつて日本中にこのチーズケーキのレシピを広めた方なのだそうです。

約50年前、東京でパティシエをしていた中村さんは、有名ホテルのドイツ人シェフと協力して、日本人の口に合うチーズケーキを開発。そのレシピを日本洋菓子協会の講師として全国に広めたことが、チーズケーキが普及するきっかけになったといわれているのです。

二代目が受け継いだ
レシピとおもてなし

© 2018 Akihiro Fujimoto

日本人好みに考案されたチーズケーキは、フォークを入れるとほろほろっと崩れるベイクドタイプ。フランス産のクリームチーズを使用しており、しっとり滑らかな食感とほのかな酸味が特徴です。甘さ控え目でチーズの香りが際立ち、あっさりと食べやすいので辛党でもおいしくいただけます。

現在お店に立っているのは、二代目のご主人・中村真幸さん。先代が東京から帰郷して開いた『ガトーフリアン』で、そのレシピと味を大切に受け継いでいます。

© 2018 Akihiro Fujimoto

『ガトーフリアン』には本格的な喫茶スペースもあり、淹れたての自家焙煎コーヒーとケーキをその場で楽しむことができます。もともと信次さんが東京で働いていた店舗に喫茶スペースがあったそうで、地元でも憩いの場を作りたくて設けたそう。

「喫茶目的で足を運ぶ常連もいますし、コーヒーだけ飲んで帰られる方もいますよ。とにかく、来てくださった方にゆっくりしてもらいたいんです」と笑う真幸さん。

チーズケーキだけではなく、気さくで明るいもてなしも、このお店が支持される大きな理由のひとつなのです。

『ガトーフリアン』

住所/長崎県南島原市深江町丙1926-17

電話/0957-72-3009

営業時間/10:00〜19:30

定休日/水曜休

http://www.shimabara.jp/gateau-friand/

Top image: © 2018 Akihiro Fujimoto
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