フリーランサーが知っておくべき「見えないリスク」と「2020年問題」
「組織に所属せず、フリーランスで活動すれば、自分の思い通りに時間を使い、働いた分だけお金が稼げる」──。
そんなふうに考えている人はいませんか? たしかに、フリーランスは、組織にいるより、時間もお金もコントールしやすいでしょう。でも、世の中には、どんなに努力してもコントロールできないものが確実に存在します。それが、フリーランサーが気をつけなければいけない“見えないリスク”です。
そこで今回は、通算3年間のフリーランスを経験し、現在は『株式会社コピーライター』『株式会社 噂(うわさ)』の代表取締役を務めるコピーライター長谷川哲士さんに、様々な仕事のスタイルにおける楽しみや喜び、そして“見えないリスク”についてお聞きしました。
......なお、インタビューの後半に仕掛けたドッキリにもご注目ください。
島根県松江市生まれ。大学卒業後、リクルートグループにて求人広告制作ディレクターとして活動し、2009年よりフリーランスに。2012年に『面白法人カヤック』に入社し、コピー部の部長に就任。カヤック在職中に『株式会社コピーライター』を設立。2015年にカヤックを退社し、現在は『株式会社コピーライター』『株式会社 噂』の代表取締役として活動中。代表作(キャッチコピー)は『元カレが、サンタクロース。』(なんぼや)、『ぜんぶ気のせいだ。』(ZenHack2014)、『愛やエッチよりまえに、自慰がある。』(TENGA)など多数。
大企業のアルバイトから一転、
フリーランスへ
──はじめに、長谷川哲士さんが「コピーライター」を目指したキッカケを教えてもらえますか?
長谷川哲士さん(以下 長谷川)「僕、講演会とかで、最初に『“トウダイ”出身です』っていうんです。それで『え?』って顔されてから、『あ、東京大学じゃなく、東洋大学っていう、あの駅伝が有名なところの出身でして』っていうと、みんなが笑ってくれるんでツカミに使ってたんですね。でも、それを学歴詐称みたいに受け止める人もいたりして、ちょうどそのころに人気のあった、ハーフっぽい顔のコメンテーターが......」
──はい、それ以上はお話いただかなくて大丈夫です。
長谷川「......はい。大学では哲学を勉強していました。哲学って“言葉”を扱う学問なんですけど、論理学とか名言とかも好きで、『言葉を扱いたいなぁ』って考えていて。それで、大学4年生のときに“コピーライター”って仕事を知って、興味を持ちはじめました」
──その後、求人情報などを扱う大きな企業に所属されましたね。
長谷川「大学を卒業したときは、就職できずにニートになっちゃったんで、求人広告で見つけた会社に応募して、働きはじめました。雇用形態はアルバイト。そこでは、求人雑誌のなかの求人広告のコピーやデザインを作る人をやってました。そしたら、リーマンショック(世界規模の金融危機)があって、会社をクビになっちゃって......。そこからフリーランスになりました」
──自分ではコントロールできない事情で組織から投げ出され、ある日突然、なんの後ろ盾もないフリーランスになったときの心境は?
長谷川「“固定の収入がなくなる”っていう恐怖。アルバイト時代は、毎月15万くらいの固定の金額が保証されていたので、それがなくなるのは怖かったです。あとは“組織に所属していたことへの安心感”は、ひとりになってみて痛感しました」
──そんな長谷川さんがフリーランスになって、最初にとった行動は?
長谷川「まずは引っ越しをしまして、埼玉県の朝霞っていうところから足立区に。そこが家賃3万円で、意外と居心地はよかったんですけど......まぁトイレが、いわゆる“キャッチャースタイル”」
──“キャッチャースタイル”......ですか?
長谷川「はい、“キャッチャースタイル”です......あ! 会社をクビになった最初の日にやったことを思い出したんですけど、近所の“ゴミ漁り”ですね。最初が一番大事だから、朝早く起きて、いろんなゴミ捨て場を回ろうとしたら”先輩”がおりまして。自転車に強引に荷台をつけて、本格的に回収されてるゴミ拾いの……というか、リサイクル業の先輩が。その道にはその道のパイオニアがいるので『これはどんなに頑張っても勝てないな』と思って、それは初日でやめました」
──“フリーランスの働き方や心得”について聞きたいんですが......。
長谷川「......えっと、つまりは“自由であり、実力主義である”ってことが言いたかったんですけど......伝わりづらかったですか?」
こんなにも身近に転がっていた
フリーランスならではのリスクとは......
──その後、長谷川さんは約2年間、フリーランスのコピーライターとして活動されましたが、フリーランスの“良い点”は?
長谷川「働いたら働いた分だけお金がもらえるところ。もちろん、仕事がない月は収入がゼロだったりするので、もらえないシンドさもあるんですけど、もらえたときの喜びも金額も、フリーランスはずっと大きいので」
──では、反対に”悪い点”は?
長谷川「“収入が安定しない”ってこともあるけど、それ以上に、“隣の席に人がいない”ってことです。チャットやメッセンジャーでも“仕事の愚痴”って言えると思うんですけど、物理的に“隣に誰かがいる”っていうのはすごく大事で、たとえばイヤなことがあったり失敗したときに、ひとりでいると『あちゃ〜、マジかよぉ』ってなるんですけど、隣に人がいるだけで笑い話にできちゃうんで。それは、フリーランスになるまでわからなかった“悪い点”であり”リスク”でしたね」
──ちなみに、隣にいるのは誰でもいいんでしょうか?
長谷川「もちろん、信頼できる人とか、『こいつ、笑うポイントが一緒だな』みたいな人がベストです。さすがに、大阪のおばちゃんが隣にいても……いや、それはそれで楽しいかもしれませんね(笑)」
──なるほど。その後、長谷川さんは、ユニークな活動で知られる『面白法人カヤック』に所属し、同社を退社後、再びフリーランスとして活動して、現在は自身が立ち上げた『株式会社コピーライター』『株式会社 噂』の代表取締役を務めていますね。
長谷川「とにかく、周りに人がいる環境を作りたかったんです。フリーランスは、文字通り“自由”です。でも、自由を選んだときのリスク......“ひとりでいることのネガティブな状況や不安感”は、組織を作って一緒に働きたい人を雇用することで回避できると思ったんで」
──リスク回避のために長谷川さんがとった行動が、会社を作って人を雇用することであり、不安を取り除くための方法が、組織化だった、と。
長谷川「もちろん、不安はずっとありますよ。今だって不安だし......。そうだ! ある顧客管理ツールの案件で『不安を減らし、ファンを増やす』っていうキャッチコピーを書いたのを、今、思い出しました」
──......すみません、知りませんでした。
長谷川「ですよね。結局、採用されなかったんで(笑)」
インタビュー中にちょっとしたドッキリ。
ちなみに、これはご存知でしたか?
──それでは、アルバイト、フリーランス、会社員、経営者と、いろいろな立場を経験し、その時々の状況やリスクに対応してきた長谷川さんに、ここでお知らせしたいことがあります。
長谷川「......え? こわい......なに? マジスカ? なに?」
──2020年、つまりは今から約1年半後に『 Windows 7 』と『 Office 2010 』のサポートが......
長谷川「もしかして、終わる? え……代わりはどうするんですか?」
──『 Window 10 』と『 Office 2016 』や『 Office 365 』への移行が必要となります。ご存知でしたか?
長谷川「いや、全然。僕の周りも Windows ユーザが多いんですけど、まだ、みんな知らないと思います。あの......サポートが終わっちゃうと、どういう問題が起こるんですか?」
──サポートが終了したパソコンは、セキュリティ機能もアップデートされなくなるので、ウィルスに感染する可能性が高まります。すると、ウィルスに感染したメールやファイルを依頼主にも送信することになります。いくらいい仕事をしていても、そんな危険性のある古いOSやアプリケーションを使っている、というだけで依頼主の信用を失うことにもつながり兼ねません。これも、ある意味では”見えないリスク”と言えませんか?
長谷川「そうですね、確かに。うちの会社には、インフラを担当するスタッフがいて『アップデートしましょうね』っていってくれるんで、近づいたタイミングで知ることはできるんですけど、一般の人とかフリーランスの人は、知らなかったら大変なことになっちゃいますね。コピーライティングとか広告の仕事を長くやっている経験上、こういった情報は、ニュースサイトなんかより人伝てのほうが確実に伝わりやすいと思うので、これを読んでいる人は、今すぐ周りの人たちに教えてあげるのがいいと思います」
この記事の最後に『 Windows 7 』と『 Office 2010 』のサポート終了をお知らせする長谷川さんのキャッチコピーを掲載しています。
リスクを未然に回避するために
「2020年1月14日に『 Windows 7 』が、そして2020年10月13日には『 Office 2010 』のすべてのサポートが終了します」──。
日々、様々な情報を収集し、仕事のほとんどをパソコンでおこない、社内・社外との通信手段にウェブを多用し、つねにリスクや不安と対峙してきた長谷川さんは、そのことを知りませんでした。
さて、あなたは知っていましたか?
2020年を過ぎても『 Windows 7 』『 Office 2010 』を使い続けることで、あなたのパソコンは、マルウェアへの感染や情報漏洩の危険性、フィッシング詐欺へのリスクが高まります。
そして、あなたのパソコンからデータやファイルを送られた相手をも、その危険にさらすことになるのです。
「知らなかった」では済まされない事態が起きるかもしれません。
でも、最新のセキュリティ機能とこれまで以上の業務効率化を実現した『 Windows 10 』と『 Office 2016 』、『 Office 365 』なら、そんな心配はありません。
いずれ買い替えるのであれば、最新版の高い安全性と操作性・機能性を、今すぐ体感してみてはいかがでしょうか。
最後に、あなたが信用・信頼を失わないためにも、あなた自身が被害を受けないためにも、もう一度だけお伝えします。
「2020年1月14日に『 Windows 7 』が、そして2020年10月13日には『 Office 2010 』のすべてのサポートが終了します」──。
ちなみに、インタビュー終了後、長谷川さんが即興で考えてくれた『 Windows 7 』と『 Office 2010 』のサポート終了をお知らせするキャッチコピーがこちらです。
2020年、セブン終了のお知らせ。
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