#8 Vaporwave「海外勢」が日本ツアー開始

Vaporwave特集 #8

2010年代に生まれたアンダーグラウンドなインターネットカルチャー、ヴェイパーウェイヴの音楽をLIVEで楽しめる機会は少ない。

その希少性を抜きにしても、11月2日(金)からはじまるツアー「NEO GAIA PHANTASY」は足を運ぶ価値がある。

シーンを代表するレーベル「Dream Catalogue」や「100%ELECTRONICA」の海外アーティスト3組が、愛知、京都、大阪、神戸、東京をまわる。各地で同じステージに立つ国内アーティストたちにも注目したい。

©NEO GAIA PHANTASY

■NEO GAIA PHANTASY
2010年代ネット上から発生し、ここ数年現実をも巻き込み増殖する音楽概念”Vaporwave”。その世界を代表するアーティストが集結!

■出演
equip(100%ELECTRONICA)
R23X(Dream Catalogue)
death’s dynamic shroud(Dream Catalogue, Orange Milk Records)

※全日程に出演

■日程
11/2(金)岡崎ひかりのラウンジ
11/3(土)京都Cafe La Siesta
11/9(金)大阪pehu
11/10(土)神戸Otohatoba
11/14(水)東京・幡ヶ谷Forestlimit「K/A/T/O MASSACRE
11/16(金)東京・渋谷O-nest「New Masterpiece」

2018/11/10(土)神戸Otohatoba
・Tsudio Studio (Local Visions)
・pool$ide
・UMrooms
・Adiem Ouskyer Reyskuo

2018/11/14(水)幡ヶ谷forestlimit「K/A/T/O MASSACRE
・hakobune
・Dirty Dirt
and more……

2018/11/16(金)渋谷O-nest「New Masterpiece
・さよひめぼう (Business Casual, PLUS100)
・DJ badboi
・kissmenerdygirl(ピンクネオン東京)
・常盤響
・909state
・数の子ミュージックメイト
・DJ消しゴムはんこ
・捨てアカウント VirtualDJSet(Local Visions)
・ΔKTR
<VJ>
・玉田伸太郎
・fm

ツアー最終日、渋谷O-nest「New Masterpiece」には、ヴェイパーウェイヴを特集したZINE『蒸気波要点ガイド』の編集者ΔKTR(アクター)や、アメリカのレーベルBusiness Casualで活躍するさよひめぼう、日本の新興ネットレーベルLocal Visionsの主催者捨てアカウントなどなど、見逃せない国内のアーティストが多数出演する。

初期の実験性やアンビエント色と同時に、フレッシュなサウンドも楽しめるはず。刺激的な体験ができるに違いない。

ネット世代が生んだアングラカルチャー
ヴェイパーウェイヴはもう一度死ぬ!?

ディスプレイの中で見ていたAsthetics(美学)
イヤホンで聞くノスタルジックなエクスペリメンタル音楽
そこからアクセスする「架空の世界」への没入感

ネット空間に落ちていた過去の素材を使って、ほぼネットだけで共有されていたカルチャーが、本格的にリアルな場へと集まる。

サンプリングでなくオリジナルであることを意識するクリエーターは増えた。音楽・映像・グラフィックにその意匠を引き継ぎながらも、ヴェイパーウェイヴと言わずに電子音楽の一種として世に出るものもある。自動翻訳ツールの精度はどんどん高まっていて、このシーン特有のネーミングセンスを「機械翻訳の誤変換みたいな……」と表現することも、もしかしたら2010年代が本当に最後になるかもしれない。

ヴェイパーウェイヴは、古き良き時代の名残みたいな存在でありながらも、そのエッセンスはしっかりと今の時代に自然なかたちで浸透している。過去に死んだと言われたけれど、それは新しく生まれ変わったという意味でもある。その変化の瞬間を、この日は現実で楽しみたい。

© death's dynamic shroud
(Dream Catalogue)
© Equip
(100%ELECTRONICA)
© R23X
(Dream Catalogue, Orange Milk Records)
取材協力 ΔKTR
Top image: © death's dynamic shroud
Licensed material used with permission by Nice Shop Su, New Master Piece
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。