野球観戦は「音楽LIVE」みたいなものだ!〜パ・リーグ編〜

「プロ野球のスタジアムはLIVE会場だ!」

笑われてもかまわない。僕は本気でそう思ってる。トランペットに合わせて何万人もの大人たちが奏でる声&手拍子の迫力は半端じゃない。試合終盤のチャンスの場面、その日イチバンの音圧でチャンステーマが流れるアノ瞬間は鳥肌が立つ!

贔屓の球団がなくても構わない。

選手名を覚える必要もない。

ルールすらどうでもいい。

知識なんてなくっても生で観戦するプロ野球は楽しめる。サウンドだけでも絶対楽しめる。阪神ファンの自分がパ・リーグの試合にまで足を運ぶ理由がそこにある。

パ・リーグはこの曲に注目!

音楽LIVEの会場によってテンションや雰囲気が違うように(ほら、アーティストがよく言うでしょ?)、チームや選手ごとにも特徴がある。

昨日のセ・リーグに続いて、今日はパ・リーグ6球団の注目曲を紹介。数多ある名曲から一曲だけを選ぶのは辛い作業だったけれど、とりあえずこれだけは抑えてほしい。ちなみにこの原稿を書いているいま、作業BGMは「チャンステーマ 詰め合わせ」。まあデフォルトだけど。

色々な事情があり、この記事で音楽は聞けない。でも、騙されたと思って一度検索してほしい!YouTubeで簡単にHITするから。なかには応援歌を練習している応援団の動画もあって微笑ましい。

なぜこれが「関西」限定!?
(『鷹の道』/福岡ソフトバンクホークス)

©2019 TABI LABO

「なぜこれを、本拠地・ヤフオクドームで歌えないんだ!」

多くのホークスファンがそう嘆くほどの名曲『鷹の道』。関西地区の球場でだけ流れるチャンステーマだ(大人の事情が色々あるんだろう……)。

「行けよ男たち チャンスだ燃え上れ 俊足巧打で突き進め それが鷹の道」を二回繰り返すわけだが、二回目はアカペラになり、かつ「鷹の道!」をシャウト。ファンの顔にはこれがやりたかったんだよなー!とちゃんと書いてある。

元ネタはガガガSPの『弱男』。盛り上がるわけだ。

大人たちの「ルイ!ルイ!」がキュート
(オコエ瑠偉/東北楽天ゴールデンイーグルス)

©2019 TABI LABO

大人の事情で、今シーズンから応援歌が刷新された楽天。これまでの曲に愛着のあったファンからは不満の声があがったようだけど、外から見ている限りはその多くが定着し始めている印象を受ける。

オコエの新応援歌には特に反発があったらしい。しかし、ジントシオ氏(応援プロデューサー・元千葉ロッテマリーンズ伝説の応援団長)らしさを感じずにはいられない。

飛び跳ねながら「オオオ・・・レッツゴーオコエ」を二回繰り返したあとの「ルイ!ルイ!」が最大のハイライト。時折、氏は強烈な遊びゴコロを繰り出すわけだが、それがたまたまオコエだったということか?少し恥じらいつつ、大の大人たちの「ルイ!ルイ!」はかわいい。

男女別のパートに分かれる名曲
(『チキチキバンバン』/北海道日本ハムファイターズ)

©2019 TABI LABO

僕が知る限り、男性と女性のパートに分かれたチャンステーマの元祖(後に西武も導入)。高校野球だとよくあることだけど、プロ野球で女性だけの声が聞こえるってレアなシチュエーションなんだよな〜。ドーム球場だとこれがまたよく響く!

前奏が流れた時点でファンのテンションはMAX。しかも、ハイテンポな曲だから威圧感もスゴい。途中、あまりに早口すぎて歌詞がわかっていても歌えないところがある(笑)。

虎党の自分でもつい口ずさんでしまう、一度聞くと耳から離れない一曲。

メジャーリーガーも興味津々のナンバー
(外崎修汰/埼玉西武ライオンズ)

©2019 TABI LABO

メヒアと最後まで悩んだものの、ここは外崎で。

序盤は特段変わった様子はないのだけど、最後に名前を呼びながら一斉にジャンプ。ここのメロディーが、なんともいえない心地よさ。カッコ良すぎず、抜けすぎず、絶妙な塩梅の「外崎修汰〜♪」が響き渡る。にしても、虎党には「見てみたいな」のとこのリズムが難しすぎる(笑)。

多くのスター選手が揃った昨年末の日米野球で、もっとも盛り上がったと言われているのも、この曲。来日したメジャーリーガーたちも“外崎ジャンプ”には興味津々の様子で、しきりにスタンドに目をやっていた。

早打ちはやめて!と祈りつつ……
(荻野貴司/千葉ロッテマリーンズ)

©2019 TABI LABO

個人的には、件のジントシオ氏の最高傑作かと。

俊足が魅力の選手だけに応援歌も疾走感漂う。終盤にかけて「オイ!」×6から「打て荻野(貴司!)」の流れがあるのだけど、ファンとしては名前を叫ぶところまでいきたいから焦れったくて仕方ない(笑)。頼むから早打ちはするな!と祈りつつ、オイを6回繰り返すのだ。

ちなみに、荻野に限ったことではないけれど、ロッテファンは基本的に飛び跳ねるから目でも楽しめる(最近は飛ばなくなったという嘆きも聞こえてくる……)。

タイトルの時点でもう(笑)
(『欲球根性~河内のオッサンの丑~』/オリックス・バファローズ)

©2019 TABI LABO

全球団のチャンステーマの中で一二を争うほど好きな曲。タイトルの時点でインパクト大だけど、歌詞もまあクセが強い。大阪らしさ全開のナンバー。

「ここらで打たんとワテ泣くで」に対して「(おいよ~)」とかホントに最高(笑)。応援歌って基本的には標準語なんだけど、そんななか「とびきりデラいの持って来い」「おもクソ ゴツいの持って来い」は異色すぎる。

で、ここまで歌詞で遊んでいるにもかかわらず、それがメロディーに乗ると不思議とカッコイイのだから、作り手のセンスに頭が下がるばかり。

ここまで言われたら、さすがにこの曲気にならない?

そんな日本プロ野球の観客動員が絶好調!

プロ野球の観客動員は好調そのもの。

このペースでいけば、今シーズンは昨年の約2550万人を上回る可能性大。これだけエンタメが溢れる時代に二年連続で史上最多記録を更新しようものなら一大快挙だ。もはや、国を代表するコンテンツと言っても差し支えない。

それくらいポピュラーな存在なのに、観戦未経験者からは「ハードルが高い……」という声も聞こえてくる。だからこの記事では、ただただ「そんなことない!」を伝えたかった!

にしても、自分のためだけにファンが応援歌を歌ってくれるってどれだけ気持ちいいんだろう。一打席だけ、いや一球だけでいいからバッターボックスに立ちたい。無駄にタイムを取って、靴紐を結び直してやる。相手のピッチャー、執拗に牽制とかしてくれないかな〜。

Top image: © 2019 TABI LABO
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。