川崎宗則が「世界にひとつだけの賞」を受賞!しかし、そこには隠された苦労があった・・・
このたび、トロント・ブルージェイズからフリーエージェントとなった川崎宗則が「ムネノリ・カワサキ賞」を受賞しました!…と言われてもピンとこない人がほとんどのはず。どうやら、メジャーリーグベースボールの公式動画サイト「Cut4」が選出したもので、非常に名誉なことなのだとか!?
オスカーでもっとも権威のある
最優秀作品賞級の“レジェンド”
同サイトは、今シーズンにファンやリーグを盛り上げた選手を、さまざまな形で表彰しているのだそう。たとえば、「ベストバットフリップ(バット放り投げ)賞」や「ベストダンサー賞」などなど。
その中でも川崎は、もっとも偉大な(?)トリで登場。寸評では最優秀作品賞級の“レジェンド”と評されています。
「アカデミー賞は最優秀作品賞で締めくくられる。我々も最高の賞で締めたい。ムネノリ・カワサキでいることによるムネノリ・カワサキ賞だ。ムニ(愛称のひとつ)は常にカメラに最高の自分を映し出す。本当にいつだってね」
米メディア絶賛!
「歴史に残るインタビューだ」
受賞の要因は、数多くのコミカルなインタビュー。 特に、上のやりとりについては、「New York Daily News」が「歴史に残るインタビューだ!」と絶賛。リーグ優勝決定シリーズ進出直後に、地元テレビ局の中継に飛び入りで参加した川崎が、次戦への抱負を尋ねられて“名言”を残しました。
「ただスイングしろ。ただボールを投げて、ただキャッチするんだ。みんな、何も考えるな。感じろ!…僕の英語、上手になった?英語のテキスト、2冊も持ってるからね!(ウインク)」
「やらないことが一番ダメ」
上の映像以外にも、不慣れな英語で一生懸命話そうとしている彼の姿を見たことがある人も多いでしょう。ベンチでダンスを踊ったり、ウインクだけで中継の実況を笑わせたこともありました。
しかし、陽気でポジティブに見える川崎にも、「精神的におかしくなり、怖くて眠れなかった」時期があったことは、あまり知られていないかもしれません。2012年、アメリカでの最初のシーズンに臨んだ際に、語学面などの環境の違いに大いに苦しんだと、著書『逆境を笑え』で明らかにしています。
それでも、通訳をつけなかった理由ーー。
「確かに通訳がいれば楽だが、いなければ無理ということはないはず。もちろん恥をかくし、痛みも味わう。でも、やらないことが一番ダメ」
このメンタリティこそが、彼の強さの秘密。自身のネガティブな部分を一切見せず、笑顔を保ち続け、決して努力を怠らない。だからこそ、“ムニ”はメジャーリーグで圧倒的に愛される日本人選手になれたのです。
ムードメーカーとして
チームの快進撃を支える!
今季の川崎は傘下3Aバファローとメジャーを5度も行き来しながら23試合に出場。打率2割1分4厘、打点2。22年ぶりに進んだリーグ優勝決定シリーズの出場登録は外れたものの、チームには帯同し、必死に鼓舞し続けました。
「どう説明したらいいのか分からないが、カワサキがいるだけで何もかもがより良く思えるんだ」
ジョン・ギボンズ監督の意見は、きっとすべてのチームメートやファンの総意。ある選手は、川崎のマイナー降格に対して「みんながポケットマネーから彼のサラリーを出してもいいと思っている」とまで発言し、役割の大きさを強調したのだとか。
ちなみに現在は、メジャーリーグでのプレーを最優先に、契約交渉に臨んでいる模様。その去就に注目しましょう!
Top Photo by Jon Blacker/Major League Baseball/Getty Images
Top photo by Getty Images / Reference:SPORTSNETCANADA