時代を象徴する紙幣に……「アラン・チューリング」がイギリスの新50ポンド札の肖像
イングランド銀行は、イギリスの新しい50ポンド紙幣の肖像に暗号解読者のアラン・チューリングを選定。
「人工知能の父」と呼ばれるアラン・チューリングは、第二次世界大戦中に活躍したコンピューター科学の先駆者。ナチス・ドイツの暗号通信「エニグマ」の解読に成功するなど、連合国側の勝利に貢献した人物だ。一方で、当時違法とされていた同性愛を理由に有罪判決を受けたバックグラウンドも。近年、イギリスでは紙幣の肖像についても多様性を求める動きが盛んになっており、この決定は時代の変化を象徴するものとなった。
イギリス出身のTABI LABOキュレーター・ベンによると、「時代に認められなかった偉人」が選ばれたことに意味があるとのこと。
「50ポンド札はほとんど見ない」と語るベン。キャッシュレス先進国であるイギリスでは高額紙幣はおろか現金すらあまり使うことも目にすることもないらしい。そんな時代に新たなお札を造る必要性はあるのか……今回の決定でいえることは、紙幣としての価値よりも、紙幣の刷新が意味することの価値が重視されたのだろう。新50ポンド札は、2021年末までに流通する予定だ。
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