EU離脱後の「新パスポート」は、赤と青のグラデーション!?

国民投票が行われ「イギリス・EU離脱」という結果が出てから約1年。賛成と反対とで意見を真っ二つに割った出来事でしたが、どんなに嘆いたとしても後戻りはできない。

ならば希望を見出そうと、建築デザインメディア「Dezeen」が非公式にパスポートの新しいデザインを募集。すると、34カ国以上から200を超えるデザインが集まったのです。国のシンボルにもなりうる旅券カバー。選ばれたのは、一体どんなデザインだったのでしょうか?

未来を表す
「現在と過去」

1位に選ばれて1,000ポンド(約15万円)を獲得したのは、ロンドンを拠点とするグラフィックデザイナー、Ian Macfarlaneさん。EUに加盟している現在のデザインと(赤)、それ以前のデザイン(青)が混じったものになっています。

この作品が評価された点はシンプルなところ。ジャッジによると「詩的でパワフルで優雅、そして曖昧なところ」が良かったということ。

このデザインは、離脱へのスムーズな移行かノスタルジックな方向転換、もしくは不吉で暗い前兆を表しているととれる。全てのイギリス国民を代表するデザインを求めていたからこそ、彼は勝者に値する」

Dezeenの編集長は、選んだ理由をこうまとめました。

「何を象徴するだろうか?」
と考えたんだ…

受賞を受けた、Ianさん。

「国のアイデンティティーというものは、物事がうまくいっている時でさえ難しいもの。このプロジェクトに参加する時、2通りのアプローチを思いついたんだ。新しいパスポートはどんな風に見えるだろうか?ということと、何を象徴するだろうか?ということ。その時、後者の考えに最も興味をひかれたのさ」

編集長によると、コンテストを実施した理由は「普通なら退屈なテーマだからこそ、EU離脱後のアイデンティティーやパスポートについて、普段から話すようになって欲しいから」とのこと。

イギリスはどこへ向かうのか…。それは誰にもわかりませんが、もがく国民から見えるのは、苦境だからこそ自国のアイデンティティーは自分たちで作る、という心意気なのかもしれません。

Licensed material used with permission by Dezeen
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