「いまのドムドムには勢いがあります」赤羽店・岡田店長インタビュー
「ドムドムハンバーガー」のなんたるかを知りたくば、まずは店舗へと足を運んでみるといい。都心からいちばん近い「イオン赤羽北本通店」で、ドムドム歴13年の店長、岡田一男さんに話をうかがった。
渋谷から40分。お世辞にもアクセスがいいとは言えない立地でも、多くのファンがここを目指してやってくる。オリジナルバーガーだけでないドムドムの魅力とは?
開店と同時に出迎える
馴染みのお客さま
──岡田さんはいつから赤羽店に?
アルバイトとして働きはじめたのが2007年です。まだイオンでなくダイエーで、親会社もオレンジフードコートでしたね。以前は赤羽駅前にお店があったので、小さい頃から知っていました。
──いわゆる店舗内に座席があるタイプではなく、当時から赤羽店はフードコート形態だったんですよね?
そうです。もともとドムドムのほかに、お蕎麦屋さん、ラーメン屋さんなどが入ったフードコートでしたが、徐々に整理されていって今じゃうちだけです。
──週末の日曜日、それも10時すぎ。失礼ながら「開店と同時にくる人は少ないだろう」と高をくくっていただけに、まさかこんなに賑わっているとは!
朝はほとんど年配の女性が中心ですけどね。二人掛けのテーブルをつなげてグループで。ちょっとした集会所みたいですよね(笑) イオンで買ったお菓子を広げ、コーヒーだけで楽しくおしゃべりされてますよ。
──JR赤羽駅から歩いてきましたが、この辺りは昔ながらの公団住宅と大規模マンションが入り乱れる住宅地なんですね。のわりに飲食店がない。
それもあって、昔から年配の方にも愛されてきたんじゃないでしょうか。僕のことを昔っから知っていてくださる人もいて、ああして毎日のように利用していただいています。一人当たりの単価は低くても大切なお客さまなんです。
──きっと全国のドムドムでも、多かれ少なかれ同じような役割を担っているんでしょうね。
ドムドムを目指してやってくる人々
──荒川を渡ればもう埼玉県。現在、埼玉をはじめ北関東に店舗がないことからも他県からいらっしゃる方もいるんじゃないですか?
たくさんいらっしゃいますよ。埼玉だけでなく、群馬や茨城からもわざわざ車で来てくださる。「丸ごと!!カニバーガー」や「丸ごとカマンベールバーガー」のように、飛び道具っぽいオリジナルバーガー販売のときにはとくに。
──そういった他県からのお客さんって、対応されていてわかるものなんですか?
みなさん声をかけてくれるんです。「茨城からきました!」みたいに。この辺りってついでにどこか行くっていうような観光エリアもそうありませんから、わざわざ目指して来てくれているんだなって、こちらも嬉しくなっちゃいますね。
──店舗が少ない、行きづらいということがネガティブに転じないファストフード店なんて、他にありませんよね。ドムドムへの「愛」ですね。
越谷から毎月来てくださるお客さまがいます。聞けば、最寄りのドムドムが閉店して、隣町の店を利用されていたそうです。でもそこも閉店に。巡り巡って4店舗目、うちが最寄りの店になってしまったって。それでも「遠くたって通うよ」って。嬉しいじゃないですか。
──物理的な距離なんて気になしない。ファンの鑑ですね。逆に都心からいらっしゃる方は? ここ数年で客層が変わったりしましたか?
週末は多いですよ。どっと増えたように思います。平日とは少し客層が違うのでよくわかりますね。ちょっと雰囲気も違うかな。これまでも都心からいらっしゃる方はいましたが、明らかに去年あたりから増えたように思います。若い方が中心ですね。うちは広告をあまり出さないからSNS頼みなんですけど、そこがばちっとハマったんだと思います。
赤羽店発の新作バーガーに期待して!
──レンブラントホールディングスに親会社が変わってまもなく2年。オレンジフードコート時代と比べて大きく変わったことといえば?
「会社との距離感」ですかね。以前は規模も大きかったこともありますが、会社で決定したことがそのままドンと降りてくる感じでした。「はい、来週からこれでいきます」みたいな。でも、いまの会社は「何を目指しているか」「なぜこれをやるか」そこを共有してくれる。だから我々も理解できるんです。
──次々に新しい施策やキャンペーンが登場しますよね。現場の苦労も絶えないのでは?
毎月の新商品だけでも、看板や販促ツールの手配がかかります。なにせ、このご時世にメニューボードがデジタルじゃないんですからね(笑)。今までなら、もっとゆっくり人材育成やオペレーション改善を考える余裕があったけど、今はおかげさまで、それにすら追われています。
──2017年以降もだいぶ店舗が減りましたよね。正直、不安はなかったんですか?
全然ありませんでした。挽回に向けた肉体づくりの時期だってことをきちんと示してくれていましたから。僕らの苦労を会社もわかってくれ、そのうえで一緒にアイデアを出し合い、新しいものづくりに巻き込んでくれますから。
──具体的にはどんな?
たとえば、年に一度、社員も店舗スタッフも自由参加してアイデアを出し合う「従業員アイデアバーガーコンテスト」というのがあります。自分のアイデアが商品化されるかもしれない。自然とモチベーションも上がりますよ。
──「うちで考案しました」が言えたら、かなり鼻が高いですね。ぜひ、赤羽店から新作バーガーが生まれることを期待します!
ですよね!ポップつくっちゃうもん。ちなみに昨年発売した「とろ〜りもっちりアリゴチーズバーガー」は、野田運河プラザ店のトレーナーさんのアイデアです。
──各店ごとにアイデアを出し合って企画し、それを上に持っていける。風通しの良さを感じますね。そういうチャレンジングな姿勢が、結果的に他チェーン店ではマネできないオリジナリティを生んでいるように思います。
ウリはクレープ!「大事な収入源です」
──ところで、赤羽店でいちばん人気のメニューは?
「甘辛チキンバーガー」と「ビッグドム」がよく出ますね。それと「ドムドムクレープ」ですね。
──ドムドムってクレープもやってるんですね!
たしかうちを含めてもう2、3店舗のみだったと思います。もちろん生地から焼いてできたてを提供するんですが、常時14種のメニューのほか、追加トッピングでオリジナルクレープもできますよ。つくり置きしている「クレープバイキング」の方は、2個で税込600円。お土産にも人気です。
──こうやって店舗限定のメニューをなさると、オペレーションも当然増える。実際大変じゃないですか?
まあ、大変は大変ですけどお客さまが喜んでくださいますから。大事な収入源ですしね。これが好きって言ってくださる方がいる以上は、簡単にやめるわけにはいきませんよ。
──バーガーのあとはクレープでシメるのが赤羽流。お腹に余裕をもって訪れたいですね。
ドムドムハンバーガー イオン赤羽北本通店
【住所】東京都北区神谷3-12-1 イオン赤羽北本通店 1F
【電話】03-6860-5855
【営業時間】10:00〜20:30(L.O.)