東京でしか味わえない「ニッチな富士山」の楽しみかた【後編】

東京に“花の名所”があるように、富士山を見るのに絶好のスポットも多数存在します。高層タワーの展望デッキ、開けた橋の上、というのは誰もが思いつくはず。でも、それがすべてじゃありません。

ここで紹介するのは、ちょっとオツで都会ならではの富士山の楽しみ方。「富士見坂」を代表する「坂の上の富士」たち。

絵葉書のような裾野までくっきり見える雄姿はない代わりに、ビルや高層マンションが乱立する都市部でしか味わえない、富士山とのコラボが潜んでいます。思わず「ニヤリ」とするような。

空気が乾燥する冬場は、遠く富士山を臨むのにもっともいい季節。さあ、散歩やランの途中に、その坂の上まで足を伸ばしてみませんか?

01:ホテルプリンセスガーデン脇の坂
(品川区上大崎)

©2020 NEW STANDARD

目黒の「富士見坂」といえば、目黒駅から恵比寿ガーデンプレイス方面へと向かう途中、「ホテルプリンセスガーデン」脇から目黒川へと下る急坂(住所は品川区上大崎)。

崖上から臨む富士山は、片側の裾野がくっきり見え、都内でも随一のベストなポジション。じつは、さらに恵比寿方面へと進む一本先の坂道からも富士山が拝めるんですが、「関東の富士見100景」に選出されたのはこの坂。

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奇跡的に富士山の方角だけ高い建物がないのも、都心にあって数少ない絶景スポットたるゆえんかも。

富士山を愛でたあとは…

さて、富士山を楽しんだあとのアクティビティも豊富な目黒エリア。このまま歩いて「恵比寿ガーデンプレイス」を訪れるもよし、山手線をまたいで「東京都庭園美術館」を巡るのもおすすめ。あるいは、権之助坂を下って目黒区最古の神社「大鳥神社」で初詣なんて手も。

でも、どうせならばもうちょっとだけ足を伸ばして、もうひと坂、富士山詣はいかがでしょう?それが次にご紹介する目切坂です。

02:代官山・目切坂
(渋谷区猿楽町)

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東急東横線中目黒駅から目黒川を渡り代官山へと向かうと、小高い丘を登ることになります。ちょうどこの崖線、「代官山ヒルサイドテラス」の裏手にあるのが「目切坂」です。

この目切坂に建つマンションの駐車場越しに、小さくですが富士山が顔を出しているのが見えます。雪をかぶった頂上がほんのちょっと。これこれ、これが都心から楽しむ“ちょい富士”。なんとも味のある構図じゃないですか。

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じつはこの目切坂に建つマンション、富士信仰が広まった江戸時代後期、手軽に富士登山が楽しめるよう各地に“ミニ富士”とでも呼べるような「富士塚」が作られた場所なんだそう。富士山から運んだ溶岩などを積み上げ、当時は12mの高さがあったというから、さぞかしいい眺めだったでしょうね。

今じゃ、マンション外壁のスキマから、ほんのちょっと。でも、これはこれで絶景かな、絶景かな。

富士山を愛でたあとは…

近隣は言わずと知れた飲食店もショップも充実するエリア。ここはテイクアウトグルメを手に「西郷山公園」まで足を伸ばしてみてはいかがでしょう。ここも都心から富士山が見える数少ない公園です。

03:東邦大学医療センター大橋病院裏の坂
(目黒区大橋)

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起伏に富んだ地形の目黒区には、「富士見坂」と名のつく坂がいくつかありますが、ここで紹介するのは世田谷区との区界に位置する、目黒区大橋の名もなき坂。「東邦大学医療センター大橋病院」の裏手、南西の方角に遠く富士山を望むスポットがあります。

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撮影したのは日中ですが、この坂から富士山がもっとも美しく見える時間帯は夕方。朱を含んだ紫陽花色の夕空にくっきり富士の裾野が見えますよ。時間を忘れて立ち止まってしまうはず。

富士山を愛でたあとは…

大橋通りを道なりに下り国道246号線にぶつかった信号を左手(渋谷方面へ)100mほどで「上目黒氷川神社」へ続く階段が見えてきます。初詣にいかがですか?

都心から富士を見つける愉しみ

東京23区内には、名前のついた坂だけでも800以上あるそうです。「富士見坂」を検索してみると17、18ヵ所ほど。なかには渋谷駅のすぐ近くの宮益坂のように、名前を変えた旧・富士見坂も。現在も「富士山が見える」となると、その数はぐんと減り、西日暮里や目黒などごくわずか。

けれど、高台から一気に下る坂道のてっぺんで、崖線上の生活道路の先に、ビルやマンションの隙間から、わずかに富士の頂が顔をのぞかせていることに気がつきます。

ここで取り上げた坂のほかにも、まだまだたくさんの富士見坂が都心に存在します。東京ならではの「富士見坂」を坂道に探したり、「路上富士」や「スキマ富士」にカメラを構えてみるのもオツですよ。

本当ならば、間近に迫る大迫力のパノラマを感じたい。でも、そうもいかないのがこの年末年始。

ならば、都会の片隅から、ちょっとだけ富士山に元気をもらいましょう。住宅に隣接する坂もあります。そこは、大人のマナーで楽しみましょう。

↓ TOKYO「富士見坂」、前編はこちらから ↓

Top image: © 2020 NEW STANDARD

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