高尾山が好きなら次は「筑波山」
日帰り登山ができる山って、ちょっとだけ遠出をしたい週末にはもってこいのお出かけスポットだと思います。特に初心者にとってはハードルも高くないし、気軽に友達を誘うことができます。それに、登山ついでに現地の観光も楽しむ時間の余裕もあるから、1日でいろんなことを楽しむことができます。東京だと、新宿から電車で約50分でアクセスできる高尾山が人気ですよね(登山後の「温泉」が醍醐味だったりもします)。
都心からもう少しだけ足を伸ばすと、「筑波山」も日帰り登山にはぴったりのスポットです。ここは、秋葉原からつくばエクスプレスで最短約45分の茨城県つくば市にあります。年間を通して登山やハイキングをすることができ、ケーブルカーやロープウェイに乗って山の景色を楽しむこともできます。
関東平野を見下ろす筑波山の、意外と知られていない魅力を6つに絞って紹介します。
01.
山肌の色を変化させる
「紫峰」
朝は藍、昼は緑、夕方は紫と、筑波山は時間帯によって山肌の色を変化させることから「紫峰(しほう)」と呼ばれています。満開の桜や新緑の田園とともに映る筑波山は、季節ごとに色とりどりの美しさがありますよ。
この山の麓では醤油づくりが行われていて、江戸時代には江戸に出荷されていました。今でも、江戸前寿司の職人さんたちが醤油のことを「むらさき」と呼ぶのは、その当時、紫峰の麓で作られたつくばの醤油が美味しかったからだという言い伝えもあります。
02.
一つの山で二つ楽しめる
「ケーブルカー/ロープウェイ」
筑波山は、男体山(871m)と女体山(877m)の二つの峰を連ねています。この山の魅力のひとつは、「ケーブルカー」と「ロープウェイ」の二つを同時に楽しめるところです。
男体山にあるケーブルカーの筑波山頂駅までは片道約8分、女体山の山頂まではロープウェイで片道約6分で行くことができます。筑波山頂駅から女体山の山頂までは、徒歩で約15分なので、少しだけハイキングをすれば両方とも楽しむことができます。また、男体山の山頂までは、筑波山頂駅から徒歩約15分で行くこともできますよ。
往復セット割引乗車券は、1500円でケーブルカーとロープウェイのそれぞれを往復できて、お得。どちらか単体の往復券だと1050円〜1100円となるので、セット割の方が断然お得ですね。麓の駅間は、路線バスが運行しているので「わざわざ山頂まで戻らなくても良いかな」って人には便利です。
03.
西の富士、東の筑波
「日本百名山」
昔から「西の富士、東の筑波」と呼ばれるこの山は、「日本百名山」に選ばれている人気スポットです。標高は877mと、百名山の中で一番低い山。名物の焼き団子は、甘い味噌だれ味で人気があり、山頂にたどり着いた達成感と一緒に味わいたい一品です。
04.
縁結びの地
「筑波山神社」
「筑波山神社」は山の中腹、ケーブルカー宮脇駅のすぐ近くにあります。ここは、筑波男大神(いざなぎのみこと)と筑波女大神(いざなみのみこと)の夫婦二神が祀られており、夫婦円満や縁結びといった御利益のある神社です。境内には樹齢約800年の大杉があり、年間にたくさんの人が訪れるパワースポットでもあります。
05.
科学万博の遺産
「宇宙の卵」
ゴロンとした謎の物体、これは「宇宙の卵」です。と、言われても、ピンときませんよね。ところで、みなさんはつくば科学万博を知っていますか?
この万博は、1985年に「人間・住居・環境と科学技術」をテーマに開催されました。そして、当時の会場ゲートに飾られたのが、この宇宙の卵というわけです。当時の最先端技術を世界に発信した万博の遺産として、つくばの街を見守る筑波山神社に設置されています。
06.
筑波の奇岩
「ガマ石」
「さあさあお立ち会い。御用と急ぎでなかったら、ゆっくりと聞いておいで——」
筑波名物で知られる「ガマの油売り口上」は、永井兵助がこの場所で考えたと言い伝えられています。それを由来として、この石は「ガマ石」と名付けられました。石が割れている部分は、ガマの口を連想させます。石を投げて口に入れることができると、金運がアップするという御利益もあるみたいですよ。
筑波山には、ガマ石をはじめとして大仏のように見える「大仏岩」や頭上の岩が今にも落ちそうな「弁慶七戻り」といわれる奇岩がたくさんあります。山を登りながら、各所にある奇岩や怪石をみつけていくのも楽しさのひとつです。
筑波山は、ただ山を登って自然に癒されるだけではなく、朝から夕方まで満喫できる要素が豊富です。「今日はちょっとだけ遠出したいな」って日には、つくばエクスプレスのお得な「筑波山きっぷ」を使って行ってみるのも良いかも。日帰りでも小旅行でもちょっとした旅行気分を味わいたいのなら、とっておきのスポットですよ。