「ルイ・ヴィトン」の「街並みジャケット」に込められた深い意味とは……?
先月発表されるやいなや、またたく間に全世界から注目を集めた「LOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)」の2021秋冬メンズ・コレクション。
その理由は、なんといってもこのジャケットだ。
「wearable miniature cityscapes(身に付けられる小さな街並み)」と題して、アーティスティック・ディレクターのVirgil Abloh(ヴァージル・アブロー)氏が考案。
1枚目の「Paris Skyline Puffer」は、「ルーブル美術館」「凱旋門」「ノートルダム大聖堂」「エッフェル塔」など、ヴィトンが本店を置くフランスを代表する建造物が並ぶ。
2枚目の「New York City Skyline Puffer」は、アブロー氏の故郷・シカゴの「ジョン・ハンコック・センター」など、ニューヨークやほかの都市の高層ビルをモチーフにしている。
ちなみに“Puffer”とは魚の“フグ”を表す英単語。ファッション業界では、中綿などで空気をたっぷり含ませたジャケットを指している。
それにしても、膨らませすぎではないだろうか……。モデルを務めた2人も思わず笑ってしまっている。
外見上は奇抜なファッションだが、アブロー氏の狙いはより深いところに。
「社会規範のなかで形成された無意識のバイアス(偏見)を、ファッションを通して変えていく試みをおこなっています。人種やジェンダー、性別などを超えて、すべての子どもたちが自由な夢を持つことへの人道的なメッセージが込められています」
いつの間にか凝り固まっている“当たり前”を打ち破るパワフルさを、ファッション、詩、ダンス、音楽を融合させた今回のファッションショーで、存分に見ることができる。
街並みジャケットを纏ったウォーキングを見たい方は、6分30秒、11分10秒あたりをチェックしてみて。