スピーカーは音を流すためだけのものではない?
いま、オーディオ製品に求められているものは何か。
もちろん、音質や機能性は最優先。しかし、技術が発展した現代ではある程度の水準は保たれていて、それだけで差別化を図るのは難しくもある。まして、それがオーディオ専門店でないのだとしたら。
そんななか、この問いに一つの答えを出したのが、近年様々なアイテムへの展開をおこなっているラグジュラリーブランド「ルイ・ヴィトン」だ。
ハイエンドのオーディオアイテムライン「コネクテッド」に新たに追加されたのは、こちらのポータブルスピーカー。
新製品の「ホライゾン ライト・アップ スピーカー」がコチラ。独楽(こま)のようなユニークな形状に「ルイ・ヴィトン」のブランドシグネチャーが映える。
“日常のオブジェの中に美を創造する”という、メゾンの卓越したクラフトマンシップが光る姿は、さながらアート作品のよう。
ウィメンズ部門のアーティスティック・ディレクターであるニコラ・ジェスキエールがデザインしたバッグ、「トゥピ(フランス語で独楽を意味する)」からインスピレーションを得たものだそう。
“オブジェ”としての外観や質感にこだわり、デザインの可能性を探求した結果生み出されたとのことで、確かに既存のスピーカーとは一線を画すデザインだ。
付属のスタンドに立てられた姿は、教会の香炉のようにも見える。
機能美が重視される工業製品の中で、それをオブジェとして捉えアート的なビジュアルへと昇華させる姿勢は、実用的かつエレガントにクリエイティビティを発揮するメゾンならではの試み。
ちなみに、こちらのスピーカーはリチウムバッテリーを搭載したポータブル仕様なのだが、これは創業者であるルイ・ヴィトンが生み出した旅の真髄(こころ)という精神が顕著に表れていると言える。
究極の機能性を兼ね備えた、“アートピースを持ち歩く”。
これは、今までのスピーカーでは見られなかった概念ではないだろうか。技術の水準がますます上がっていく将来、このような理念こそ輝く魅力となっていくのかも。
時代を切り開く老舗メゾンの、変わらぬクリエイティビティに拍手だ。