わたしが今でも「昔のiPhone」で音楽を流す理由。
この頃気づいたのは、作業用BGMには、音質のよくないスピーカーが必須だということだ。
わたしは今まで、作業をするときには音楽をかけずに無音の環境で行っていた。
たまに音楽をかけて気分を上げながら作業したい時もあったのだが、いざ流し始めるとそのうち音が邪魔に感じてしまい、どうもしっくりこなかったのだ。
ところが最近ふと思い立って、ひと昔前のiPhoneでBGMをかけてみることにした。
手に取ったのは、初代iPhone SE。
2016年に発売され、その小ささに惹かれて購入したお気に入りのiPhoneだ。今となってはもう使用していないが、愛着があるので手放すわけにもいかない。
それなら音楽でも流してみるかと、さっそくYouTubeを開いて、作業用BGMを再生。
すると……。
音質は良くないにもかかわらず、「これだ!」とピッタリハマる感覚があった。
高性能なオーディオ機器で流す音の良いBGMだと、やはりどうしてもメロディや音の響き方などがついつい気になり、作業ではなく音楽に集中してしまう。
考えてみればそれもそうだ。例えばカフェで勉強する時、すぐ隣で生のジャズバンドが演奏しだしたら?勉強なんて投げ出して、聴き入ってしまうに決まっている。
そうではなくて、壁の向こうからかすかに聴こえてくるような、それくらいのささやかな音がほしいのだ。
結局のところ、ちょっと昔のデバイスでそこそこ低音質の音を楽しむのが一番ちょうどよかった。そうすることで「音楽を流している」のではなく「音楽がどこからか流れてくる」ような感覚になり、環境音として捉えられるようになるからだ。
おかげで音楽に意識が向きすぎず、落ち着いて作業にも取り組めるように。ありがとう、iPhone SE……。
そして、選曲の際にも音がこもったようなBGMを選べば、よりストレスフリーに作業ができる。
YouTubeなら、「Muffled(意:こもった、鈍い)」とひとこと入力して検索すると、柔らかい音のBGMがたくさん!
というわけで、使っていないスマートフォンやタブレットを持て余している人は、ぜひ作業用BGM専用機器として使ってみてほしい。
もし古い端末を持っていないのなら、100円ショップに売られているような安いスピーカーを購入してみるのもいいかもしれない。
SNSで話題のダイソー商品「ブルートゥーススピーカー(レトロタイプ)」(700円!)は、作業BGMを聴くにはちょうどよい音質なので、かなりオススメ!
昔のiPhoneもレトロスピーカーも、とっても軽くて置く場所を選ばないので、これなら気軽に音楽をかけられそうだ。
前回のBluetoothキーボードに引き続き、これで理想の快適な作業環境にまた一歩近づけたかも。
「おやつなトピック」って?
Z世代のインターンから、この道うん十年のベテラン編集者まで、TABI LABO“ナカの人”がリレー形式で担当するコラムです。