サウナも音楽も友人も、楽しいをくれるわたしの「推し」!

サウナ大好き作家・岩田リョウコさんと、サウナをこよなく愛する女優・清水みさとさん。

ふたりがどのようにサウナを日常に取り入れ、どんなサ活を楽しんでいるのか。気になりますよね? そこで、ふたりのサウナな日々を「交換日記」に綴ってもらいました。

今回は、リョウコさんからみさとさんへ──。

岩田リョウコ

文筆家、イラストレーター。アメリカ在住中に出版したコーヒー本『COFFEE GIVES ME SUPERPOWERS』が全米ベストセラーに。世界5ヵ国で翻訳出版されている。サウナ愛好家でサウナ・スパ健康アドバイザーの資格を持つ。著書に『週末フィンランド』、『エンジョイ!クラフトビール』、『コーヒーがないと生きていけない!』、『HAVE A GOOD SAUNA! 』『ちょっとサウナ行ってきます』。近著に『直訳やめたら英語が一気にできるようになった私の話』。
SNS:@ilovecoffeejp

みさとちゃんへ

 

ドイツの「アウフグース世界選手権」のレポート、ありがとうございました。サウナ室で人魚、ヘビメタのライブ、火を燃やすなどなど(笑)、海外の人たちの発想、自由でいいですね。

「それやっていいんだ!」ってクリエイティビティを掻き立てられた日本の選手たちが、来年どんな演目を作ってくるのか楽しみですね。臨場感溢れるレポートありがとうございました!

そんなアウフギーサーたちはパフォーマーでもあるので、“推し”として応援する人やファンもさらに増えてくるかもしれないですね。

 

自分の推しを応援する「推し活」。

最近、その「推し」についてなぜか考えることが増えました。先日、錦糸町の「黄金湯」でみさとちゃんも出演した『温x音』イベント。わたしもお邪魔しましたが、この時「推し活っていいな」と思ったんです。

© misatoshimizu35 / Instagram

2階のスペースで、ミュージシャンの江沼郁弥さんが演奏していた時、最前列のファンのみなさんが幸せそうな愛溢れる表情で江沼さんを見守っていたんです。

その距離1メートル。自分の推しがその距離で歌う姿を見られたら、そりゃ幸せで愛おしいだろうなぁとみなさんの気持ちを想像していたら、ハッと気づいたんです。

©岩田リョウコ

わたしには「推し」がいない。

そう、わたしは例えば好きなミュージシャンがいたとしても、その人の音楽は好きですが、その人と実際に会ったことはないので性格やプライベートは知らない。音楽が好き止まりなんです。すべてをもってその人を「推し」として、応援活動をしたことがないんです。

推し活とは、その人自身を応援する活動だと思うので、わたしのような都合が合えばライブに行くわ、程度の行動は推し活ではないんですよね。そう考えたら急に、推しを持ったことのない自分は、なんだか愛に乏しい人間なのかと考え始めてしまいました。

 

わたしの友人は、あるピアニストを推していてその人のコンサートを聴きに外国まで行きます。そのピアニストの話をしている友人はいつもキラキラしていて、なんだか肌ツヤまでいいような……。推しを持つと人生が楽しくなるようです。わたしも肌ピカピカになるほど、誰かを追いかけてみたい!

 

そのことを親しい友人に「わたしも推しがほしいけど、どうやって推しを持てるのかわからない」と切実に相談すると、「リョウちゃんはもともと推しを持つタイプじゃないんじゃない?」と、根本から推しを持つDNAではないという結論を突きつけられました。

ちなみにその友人と推し相談をしながら向かったのは、千葉の習志野にある「クアパレス」。サウナを好きになってからずっと行ってみたかった場所ですが、なかなか行く機会がなく、6年も経ってしまいました。

クアパレス、こちらです。

©岩田リョウコ

これ、銭湯なんですよ。受付はこちら。

©岩田リョウコ

もう、なにがどうなってんだか!ヴェルサイユ宮殿?アミューズメントパーク的な感じならばサウナは期待できないかも……と思いながら足を踏み入れると。思わず「え〜いいじゃん!」と声が出ました。サウナは高温・中温の2種類で、どちらもいい!

特筆すべきは、テレビの数

風呂場に2台。高温サウナ室に1台。中温サウナ室は、なんと違うチャンネルを同時放映で4台。水風呂に1台。そして脱衣所に1台。休憩スペースに1台。女性側だけで9台。ヴェルサイユ宮殿ですが、ここはやはり銭湯。地元のどちらかいうと年長の方がたくさんいらしてました。なので、昭和世代になくてはならないテレビがどこに行っても観られるようになっているのです。ホスピタリティ!

 

クアパレスを出る時に「ここ、推せる」と思いました。わたしの推し活は人ではないのかも。わたしは愛に乏しいわけではなくて、対象が場所やモノなのかもしれないと、ちょっと推しについての糸口が見えてきました。

そして、昨日の話です。ヴァイオリニストの葉加瀬太郎さんのコンサートへ行きました。葉加瀬さんとは、J-WAVEのラジオ番組で出会ってからのサウナ友だちです。それからコンサートにも行くようになりました。

というのも、インストゥルメンタルってじっとしてるイメージありますよね。でも葉加瀬さんのコンサートは規格外。踊りあり、笑いあり、ステージにお客さんをあげてヴァイオリン講座ありで、声を出して笑ってしまうコンサートなんです。昨日はひとりで行ったんですが、踊って笑って、すごくいい気分でした。

 

帰り道にうしろにいた3人組の初老の女性たちが「葉加瀬さんのコンサートは楽しいわね。元気になるわ〜!」と話していました。

それを聞いてわたし、思ったんです。推し活は、楽しくて元気になるならどんな形でもいいじゃないかと。

勝手に、推しのためにお金を落として、全国のコンサートへついて回らなければ本当の推し活ではないと思い込んでいましたが、推しは「楽しませてくれる人、場所、モノ」なんだって。好きなサウナには何度も行くし、好きな音楽は何度も聴きに行くし、それでいいんだって。

そう考えると、わたしの人間の推しは「清水みさと」かもしれません。

みさとちゃんと会うといつだって笑って楽しくなる。この気分にさせてくれるのが、“推し”ですよね。あなたはわたしの推しです。いいでしょうか!?(笑)

クアパレス

【住所】千葉県船橋市薬円台4-20-9
【営業時間】15:00〜24:30(土日祝は14:00〜24:30)
【定休日】不定休

↓「サウナ交換日記 〜vol.42」はこちらから↓

Top image: © 岩田リョウコ
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。