イギリス留学で見つけた、「穏やかさ」の正体。

サウナ大好き作家・岩田リョウコさんと、サウナをこよなく愛する女優・清水みさとさん。

ふたりがどのようにサウナを日常に取り入れ、どんなサ活を楽しんでいるのか。気になりますよね? そこで、ふたりのサウナな日々を「交換日記」に綴ってもらいました。

第10回は、みさとさんからリョウコさんへ──。

清水みさと

俳優、タレント。サウナ好きが高じて、「サウナイキタイ」ポスターモデルをはじめ、ラジオ「清水みさとの、サウナいこ?」(AuDee/JFN全国21局ネット)のパーソナリティーを務め、TBS「世界ふしぎ発見!」など多方面で活躍中。

リョウコさんへ

 

イギリスからこんにちは!

ロンドンでの生活も2週間がたちました。相変わらずこちらでもよく歩くおかげで、あっという間に土地勘がつき、長年住んでいるような堂々とした足取りで、バスや電車なんかも駆使しながら、いろんな所に行っています。

大好きな映画『ノッティングヒルの恋人』のロケ地©清水みさと

好きな道や、ちょっとした近道なんかも見つけ、イギリス生活もなかなか様になってきました。

わたし、初めて住みたいと思う国に出会いました。ロンドン・ヒースロー空港を出て、車で街並みを見た瞬間に思ったんです。「あ、この国に住める、好きだ」って。ただの直感なんですど、ありませんか?そういうの。

で、2週間過ごしてやっぱり思う!イギリス好きだ!そんな感じで、エキサイティングしております!

 

今回のイギリスは、1ヵ月間の語学留学です。長年の夢だったんですが、今年の夏、突然決めちゃいました。理由はいろいろあるんですけど、とにかく、思いついたことは思いついたそのときにやってみたほうがいい、と思っています。

平日の午前中は語学学校に通い、午後と週末はフリータイム。初めてのイギリスに、留学に、ホームステイにと、初めて尽くしの1ヵ月です。

©清水みさと

当たり前だけど、聞こえてくるのは全部英語で、わたしも言いたいことや思ったことを、英語で考えてみるようになりました。ときどき夢の中で、誰かだったりわたしが英語をしゃべっていると、どんなにデタラメな英語でも、起きたとき、すごく嬉しくなります。

日本ではあんなに「サウナサウナサウナ!」と四六時中言っていたのに、今は頭の中が英語でいっぱいです!

 

語学学校では、数えきれないほどさまざまな国の、さまざまな年齢の人たちと一緒に英語を学んでいます。

リョウコさんの言う通り、授業では、とにかく自分の考えや意見を求められます。そして、意見交換をし、なぜそう思うのかということを徹底的にディスカッション。もちろん英語でです。

 

わたしは、主張することが得意ではありません。

 

普段の生活でもそうです。そもそも論理的に考えるということが苦手で、「まあいっか」という“魔法の言葉”を唱えたり、意見や考えがあっても、すべてを伝えなくてもいいと、どこかで思っていました。

だって、波は緩やかな方が、心の平和も約束されるし楽しいじゃんって。

そういう、良くいえば「穏やかさ」みたいなものが仇となって、日本語でも主張できないよ!という、英語以前の壁にぶち当たったわけです。

 

それでもやらなきゃいけないので、とにかく必死で自分の意見を引っ張り出します。時には「なんて幼稚なの!」という考えしか出てこない場面もあるんですけど、恐れずにありのままを伝えると、ちゃんと伝わるんです。みんな、他人の意見に幼稚だとか立派だとか、そんな優劣をつけません。「間違いなんてないよ」って言います。

 

どんな意見も、その人が歩んだ人生を経て生まれた大切なもの。主義主張は決して怖いものではなく、認め合い、考えを深める、本当の意味での優しさなんだと気付きました。

 

本当の「穏やかさ」って、波を立てないことじゃなかったのかもしれません。

みんな違うんだから、波が起きるのが当たり前で、波が起きたその先に、とびきりの穏やかさが生まれるんだろうなって。

そしてもちろん、愛があってこそ。愛がなくちゃ、それは、言葉の暴力にもなりうる、諸刃の剣だとも思いました。意見し合うことは、勝ち負けじゃないですもんね。

わたしもときどき、近い人にこそ、愛と優しさを損ねてぶっきらぼうに意見してしまうことがあります。なぜわかってくれないんだろう?わたしの意見は正しいはずなのにって。認め合おうとせず、あるのはただ、一方通行の思いだけ。近いからこそ、そんなふうになっちゃったりして。

 

リョウコさんの58歳の親友さん、「勝負をしたらダメ、言い返した時点で勝ち負けになる」だなんて、もう本当にその通り。頭が上がりません。2日前に思いついたなんて思えない(笑)

 

英語を学びにきたはずなのに、棚からぼたもち。抱えきれないほどのイギリス土産です。

スーツケースに入れなくていいものでよかった!
全部わたしの中へイン!

これだけでも、イギリスに来てよかったなぁと思えます。

 

そういえば、おそろしいことにイギリスに来てからサウナに、3回しか行っていません……ただ、これにはわけがあります!イギリスにはほとんどサウナがない!

あっても、一回の値段がめちゃくちゃ高い!ちっともかわいくないお値段です(笑)

 

そもそもイギリスは物価が高いんですけど、それを差しおいても、銭湯のように気軽に行けるサウナやスパは皆無です。

というか、イギリスやヨーロッパでは、気軽に行くのではなく、あえて時間をふんだんに使いに行く日常からちょっと離れる、そんな場所がスパという場所なのかもしれません。

 

わたしが行ったサウナは全部ロシア式サウナ・バニャです。

Banya No.1」(Chiswick)
New Docklands Russian Banya&Steam Bath」(London)
THE Bath House Banya London」(London)

どの施設にもどしゃ降りの桶シャワーに、キンキンの水風呂、いいサウナがあり、ととのいは保証されています。

「The Bath House」の水シャワー©清水みさと
「Banya No.1」のキンキン水風呂©清水みさと

ちなみに、「Banya No.1」では、本場ロシアのマスターからウィスキングを受けたのですが、ロウリュを30杯かけてから始まりました。規格外。

 

そんな感じで、学校、サウナ、お出かけと、毎日大忙しです。

イギリス日記、書き始めたら止まらない!

ちょうど英語にも慣れてきたタイミングで、帰国も間近。さみしい。

リョウコさん、お願いがあります。日本でわたしと会うときは、英語でおしゃべりしてください(笑)でも、英語で深い話はまだできないので、できるように日本でも頑張ろうと思います。

 

嬉しいことだらけなのですが、その中でも、日本以外に「ただいま!」といえる国ができたことが本当に嬉しいです。次またイギリスに行くときは、行くのではなく帰れるんだって思うだけで、ワクワクします(「サウナ交換日記vol.4」でわたしが書いた憧れ)。

 

イギリスに帰る日を決めようと、さっそく手帳と睨めっこ。その前に日本にも帰らなきゃいけないけれど。

 

ではリョウコさん、また日本で!日本のサウナ待ち合わせで!

↓「サウナ交換日記 〜vol.9」はこちらから↓

Top image: © 清水みさと
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。