「中絶」を「のみ薬」で。国内の最終治験で安全性と有効性が確認

英国の製薬会社「ラインファーマ」が経口中絶薬の日本国内での治験を実施。その結果が「日本産科婦人科学会」で報告されたことが、複数の報道機関によって明らかになった。

治験では、「ミフェプリストン」「ミソプロストール」という2種類の錠剤を組み合わせて服用し、人工的な流産を促した。去年6月までに妊娠9週未満の120人を対象に実施したところ、112人(約93%)が想定の時間内に中絶を完了。

有効性と安全性が確認できたため、年内をめどに厚生労働省へ承認申請する予定とのことだ。

すでにアメリカ、イギリス、スウェーデン、タイ、インドなど65ヶ国以上では認可され、WHOの必須医薬品にも指定されている経口中絶薬。

日本では、2018年に個人輸入し、服用した女性が健康被害を受けた事例があったことなどから、個人の輸入を制限し、使用しないよう呼びかけている。

そんななか国内で主流な中絶方法は、胎児や胎盤をかき出す「そうは法」と、器具で吸い取る「吸引法」の2種類。どちらも自由診療で10万円以上。フランスやオランダでは“無料化”されている一方、かなり高額だ。

経口中絶薬が承認されれば、金銭的にも心体的にも負担が軽減されるとの声が女性の健康と権利を求める団体や医療関係者から多く上がっている。

さて、どうなるのか。

今後の報道に注目していきたいところだ。

Top image: © iStock.com/Roman Valiev
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。