恋人とだけセックスできない? 「性嫌悪症」について
性やセックスに関する悩みは、あまり大っぴらにできないことが多いだけに、深刻になりやすいもの。非常にプライベートな事柄であることから、人知れず何年も悩んでいる場合もありますよね。
恋人や配偶者など、決まったセックスパートナーがいる場合に起こる、性嫌悪症、特に男性の性嫌悪症についてお話ししたいと思います。
性嫌悪症って?
「性嫌悪症」とは、性的な行為、あるいは性的な表現や性を扱った事物に非常に強い嫌悪感を抱く症状を呈すものを言います。
範囲や嫌悪感の程度は個人によって大きな差がありますが、相手や状況を問わず、性的な事物を見聞きしたりセックスが出来ないものと、特定の相手(多くの場合、問題になるのは恋人や配偶者ということになります)とのセックスのみ嫌悪感を抱くものがあります。
性嫌悪症の原因には
何が考えられる?
非常にいろいろなパターンがありますが、女性の場合、たとえば成長過程で男性に接する機会があまりなく、漠然と男は汚い、危険、などという思い込みがある、あるいは性的虐待などの被害に遭ったことをきっかけに異性や性行為そのものにトラウマをもち、拒否感や恐怖感を抱くようになってしまったケースなどもあります。
あるいは以前は問題なくセックスが出来たのに、出産や子育てを期に性的な事柄に関する興味を失ってしまう、ということも決して少なくないようです。
もちろん、男性の場合も子供の頃に性的ないたずらをされた、といったことがきっかけとなることももちろんありますが、より数が多いのは、結婚したり、交際が長くいわゆる「公認の恋人」になったことで、その女性を異性のパートナーというより家族の一員として見てしまうようになり、性欲が湧かなくなってしまうようです。
このコラムを読んでいる方々の中にも、ご自身やパートナーがこの状態である、という方はきっといらっしゃると思います。決して珍しい状態ではないのです。
性嫌悪症の方の中には、特に今の状態を変える必要はない、と思っていらっしゃる方も多いかと思いますが、パートナーがいて、相手はセックスライフの継続を望んでいるようなケースでは、問題になってくることでしょう。
治療法はあるの?
現状、このような状態にあって変えたい、とカップル双方が合意した場合には、心療内科などでカウンセリングによる治療を受けることが出来ます。
時間はかかりますが、根気よく取り組むことで、お互いが望むような形でのセックスライフが新たに得られたり、戻ってくる例も多く見受けられます。
なかなか具体的なイメージが湧かないかもしれませんが、プロフェッショナル、かつ別の個人であるカウンセラーや精神科医を間に入れることで、相手の思いがけない気持ちや考え方が見えてきたり、解決の糸口が見つかるということはあるものです。
また、問題がある、ということを双方が認めることが一つの大きな進歩でもあります。
■医師からのアドバイス
少し勇気はいりますが、悩んでいるならまず相手に、ご自身のつらさや希望を伝えてみるところから始めてみてはいかがでしょうか。是非参考にしていただければと思います。
監修:Doctors Me医師
コンテンツ提供元:Doctors Me