小学4年生で「セックスを学ぶ授業」は、早すぎる?
途中でコンドームが破れたり、もし中に出してしまったとしても、コーラで洗い流せば精子って死ぬらしいよ。
「ありえない、そんなわけないでしょっ!」て、今ならほとんどの大人が言い切れるでしょう。微塵も信じずに、笑えると思うんです。
でも私が中高生の頃は、本当にこんな話をクラスメートから聞いたことがあって、実際に信じてしまったり、試したことがあると言う人もいました。
学校によって差はあると思うのですが、生命の誕生や、HIVについての授業はあるけれど、具体的に性行為の正しい方法などの知識をつける授業を、中学生までに受けるのは難しいのが現状ではないでしょうか。
「今の若い子たちは何を見てセックスを勉強するのか。アダルトビデオなんですね。男性目線のファンタジーが満開ですよ、あれは。AVを研究した友人によれば、コンドームを付けるシーンもない。だから、コンドームの着け方すら分かっていない子がいる。大丈夫か、って」
インターネットで性の知識をつける。そうした若者が増えた結果、誤ったネット情報を頭から信じている学生もいることを、女性の人権や生命倫理、人口問題などを専門とする谷口真由美さんは、『タブー視される日本の性教育 今のままで良いか?』という記事で語っています。
<女子高生の性病感染率>
日本が世界トップに
過去の日本性教育協会(JASE)の『若年者の性感染症の現状と予防』では、18~19歳の「クラミジア」女性陽性者数は13.4%と、世界トップレベルであることがわかっています。さらに、経験人数が5人以上の場合は、3人に1人が感染しているという衝撃的な調査結果も。
(教育機関に在籍する感染の症状がない一般学生1000名(高校生は5000名)の協力のもとで行っています)
「梅毒」も同じく、もともとは流行の中心は男性同性愛者だと言われてきたけれど、最近は異性間の性的接触による感染が増加し、特に若い女性に急増していることが問題になっています。
2011年から5年間の間に、15~19歳の感染者は11人から76人に。20代は、49人から382人に増えていることが厚生労働省の調査で分かっています。
小学4年生で「性教育」
これって、早いですか?
米・ロサンゼルスでは、思春期を迎える年齢が年々早くなっているという調査結果もあり、去年から『Puberty:The Wonder Years』という教科書を使った授業を開始したそうです。
教科書の内容は、生殖器についてや、「衛生面」に重点を置いた基本的なセックスの仕方。なかには小学4年生には早すぎるという声もあるそうですが、早いうちに正しい性行為を教科書で学ぶことは、悪いことではないと言います。
日本では、性教育をすることで若者の性の乱れにつながるのではないか、と懸念することがありますが、彼らはまったく逆で、早く学ぶことが自分の体を自分で守らなくてはいけないという意識を持たせ、軽率な行為を防止できるようになる。と考えているのです。
「寝た子を起こすな」という発想では、いつまでたっても日本の性教育はタブー視されたままになってしまいます。
そもそも子ども達は、もう起きていると言ってもいいのではないでしょうか?
ネット社会に誰でも触れてしまえるからこそ、小学生のうちに性教育を。この考えをそのまま取り入れることは不可能でも、長年教えることがタブー視されてしまうことに対しては、闇の深い問題に感じてしまいます。