カナダ西岸でムール貝が大量死。そのワケは……

北半球の各地域で極端な異常気象が観測されている2021年。つい先日、シチリア島で観測史上最高となる48.8度をマークしたが、これより緯度の高いカナダでは先月、49.5度にまで達し500人もの人が命を落とした。

だが、世界を覆う記録的な熱波に生命の危険を脅かされているのは、人間だけではない。

ブリテッシュコロンビア州西海岸で、無数のムール貝アサリフジツボ大量死し専門家が危機感を示している。先月、英紙「The Guardian」が報じたところによると、バンクーバー海岸の様子は一変。海岸はムール貝の死骸であふれ、腐敗臭が漂っていたという。

ブリティッシュコロンビア大学の海洋生物学者は、異常な熱波が原因で少なくとも10億匹もの海の生物命を落としたと推測する。

海中の植物プランクトンを主な餌とするムール貝やアサリの死滅は、一時的とはいえ、海水質への影響も与えることは明白。こうなると、貝類をはじめ軟体動物だけでなく、魚への影響も少なくないはずだ。

現に、ムール貝は密集して生息する性質があり、海中で“ムール貝のベッド”ができあがる。そうしたベッドは小魚をはじめ、他の生き物の生息地として海の多様性を守っているんだそう。

生物多様性の低下は避けられそうにない。気候変動がもたらした熱波は、海の縮図を大きく変えようとしている。

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