「健やかな環境」へのアクセスは、人権そのものだ。

健やかな環境で暮らすことは、人権そのもの——。

去る10月8日、国際連合人権理事会(UNHRC)は、こう明記した宣言を採択した。気候変動が深刻化する現状を踏まえ、「清潔で、健やかで、持続可能な環境で暮らすこと」を“人権”として捉えることで、各国が率先して対策を進めていこうというのが意図だ。

新たに認められた権利を実施するため、UNHRCは世界中の国々の協力が必須と求め、ミシェル・バチェレ国連人権高等弁務官は、加盟国に対し声明のなかで以下のように呼びかけている。

「環境悪化と気候変動が相互に関連した、人権の危機であることを明確に認識しています。この決議が、人と自然を守るための変革的な経済・社会・環境政策を推し進める足がかりとなるよう、大胆な行動が求められているのです」。

気候変動、自然汚染、それにともなう生物多様性の喪失……今の時代を生きる私たちにとって喫緊の脅威。それを唯一最大の人権課題とみなした今回の宣言。

来週から開催されるCOP26(気候変動枠組条約締約国会議)に向け、各国の姿勢も問われている。

世界保健機関(WHO)によれば、全世界の死亡者数の24%、年間約1370万人が大気汚染や化学物質などのリスクにより命を落としているという。

地球環境も、人間の権利も、どちらも待ったなしだ。

© UN Human Rights Council / Twitter
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