工具を使い慣れている人は、言語能力にも長けている【研究結果】
ドライバーやペンチやニッパーといった、いわゆる工具。
日曜大工やDIYをしない人からすれば、それほど触れる機会がないだろうが、新しい研究によると、これら工具を使うことと言語能力は脳内でリンクしており、どちらかのスキルをあげることでもう一方も向上するという。
ということは、DIYするだけで言語スキルUPが叶う!?
本来、「言語」は言語処理に特化した脳のネットワークを介して行われる複雑なものであると考えられてきた。言語習得を「難しい」と思うのもこれが理由か。
それが近年になって神経科学の研究が進むと、この考えが見直されるように。特定の言語機能をコントロールする脳の領域が、一定の運動技能のコントロールにも関与していることが示唆されるように。そこに相関関係があるというのだ。
フランス国立保険医学研究所の研究員らが被験者244名に実施した調査では、「フランス語の構文演習」と「ペンチを使って穴にペグを打ち込む作業」のテストを実施。ペグ打ちのあとはさらに複雑な構文の演習というおまけ付きで、参加者の脳の状態をMRIで観察した。
結果、「大脳基底核」と呼ばれる領域が、2つの課題においてともに活性化されていることを確認。活性化されている分布が類似することからも、複雑な文章の構造を理解することと、プライヤーやペンチといった工具の習熟度には相関関係があるとの認識を示したというわけ。
一般的に電子機器やメカに強い、いわゆる理系の人は数学的能力にも長けていそうなイメージがあるけど、言語能力についてもかなりスキルが高いのかもしれない。どう?
臨床段階ではあるが、言語障害などのリハビリに工具を活用するなど、今回の発見が将来的にリハビリテーションの場面でも活かされるであろうことは、想像に難くない。
さてと、まずはDIYからでも始めてみては?