なぜ、クリスマスツリーは「もみの木」なのか?

何気ない一日に思えるような日が、世界のどこかでは特別な記念日だったり、大切な一日だったりするものです。

それを知ることが、もしかしたら何かの役に立つかもしれない。何かを始めるきっかけを与えてくれるかもしれない……。

アナタの何気ない今日という一日に、新しい意味や価値を与えてくれる。そんな世界のどこかの「今日」を探訪してみませんか?

クリスマスツリーの日

街はクリスマス一色。イルミネーションとともにショーウィンドウを飾り、商業施設のランドマークとなるのがクリスマスの風物詩。ツリーです。

今日、12月7日は「クリスマスツリーの日」だそうです。この日からツリーを飾るってこと?いえいえ、なんでも日本の商業地に初めてツリーが飾られたことを記念して。

1886年、スーパーマーケット「明治屋」が横浜に日本初となるクリスマスツリーを飾りました。1900年には店舗を移した銀座にも登場。師走の街ゆく人々に明治屋のイルミネーションがクリスマスを印象付け、そこからツリーが広く世間に知られるところになったと言われています。

ところで、なぜクリスマスに“木”を飾る……? しかももみの木を。

ここ、気にしたこともなかったんじゃないでしょうか。クリスマス=キリストが生まれた日であることからキリストに関係がありそうですが、じつは両者はそもそもまったく関係がなかったんだとか。マジか?

クリスマスに木を飾る最初のきっかけは、むかし北ヨーロッパに暮らす原住民たちが冬至のお祭りをする際にカシの木を飾っていたことに由来するようです。厳寒期の過酷な状況下でも枯れないカシの木は、永遠に枯れることのない命の象徴だとされていました。

で、そんな原住民の元にやってきたのがキリスト教宣教師たち。彼らはキリスト教の教えにも度々登場し、崇拝されてきたもみの木をカシの木にすり替え、三角形の木の頂点をキリスト、下2つの頂点を人間と精霊であるとした。

土地の風習そして常緑樹信仰をうまく結びつけることで、北ヨーロッパの人々に広くキリスト教を広めることに成功。その立役者となったのがツリーだったというわけ。

ちなみに伝統的なキリスト教では、12月25日の4週間前の日曜日(今年でいうと11月27日)から準備を開始し、年をまたいで1月6日の公現祭(東方の三博人がキリストの誕生をお祝いした日)まで飾られるんだそう。

さすがにクリスマスを過ぎると、もう門松でお正月気分。26日の街が一気に様変わりするあの感覚ってたまりませんよね。

クリスマスもお正月も、もう間もなくです。

 

Top image: © Happy Hirtzel/Shutterstock.com
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