カレーライスの「夜明け」に入っていた、驚愕の具材。
何気ない一日に思えるような日が、世界のどこかでは特別な記念日だったり、大切な一日だったりするものです。
それを知ることが、もしかしたら何かの役に立つかもしれない。何かを始めるきっかけを与えてくれるかもしれない……。
アナタの何気ない今日という一日に、新しい意味や価値を与えてくれる。そんな世界のどこかの「今日」を探訪してみませんか?
カレーの日
老いも若いも男も女もカレーは正義!で、間違いないはず。違う?
ご自慢のレシピがあったり、お気に入りの店があったり、給食のカレーの味が忘れられなかったり、やっぱり母のカレーがいちばん!なんて思ってみたり……。
とにかくカレーに関しては一家言あるって人が多いのも頷けます。だって、カレーはもはや“国民食”ですから。
その愛すべきカレーのための一日が、今日1月22日。
1982年、社団法人全国学校栄養士協議会が「学校給食35周年」を記念し、子どもに大人気メニューのカレーを全国の小中学校で一斉に給食で出しました。そこから、「カレーの日」が制定されたそうです。
さて、ここで言うカレーとは、もちろん「カレーライス」を指すわけですが、日本にこの料理が伝わったのはいつだか知ってます?
文明開花の明治初期ごろのようです。
ところが、当時のカレーライス。ちょっと、いや、ちょっとどころかかなり様相が違っていたようでして……。
もし、明治のカレーが今日までその姿で残っていたなら、きっと子どもたちのトラウマになるようなメニューになっていたかもしれないのです。
日本のカレーの源流をめぐる説明にたびたび登場するのが、敬学堂主人が手がけた『西洋料理指南』(1872年発行)。
そこに書かれたレシピを見ていくと、「ネギ1本、ショウガ半分、にんにくをバターで炒めてそこに小麦粉とカレー粉を合わせていく」。ええ、今日のスパイスからつくるカレーのそれと変わりありませんね。
ここからです。
「水1合半と具材(鶏肉、エビ、鯛、牡蠣、赤蛙など)を加えて1時間煮込み、塩で味をととのえる」。鶏にエビに鯛に牡蠣とはこれ豪華。
ん、ちょっと待て。赤蛙? うそ、赤ガエル!?
そうなんです。ニンジン、じゃがいも、玉ねぎといった王道野菜はまったくなく、あろうことかカエルがカレーに入っていた!
低脂肪で高タンパクで、味わいだって鶏肉と遜色ないってことは理解しています。でも、想像してみてください。グリーンカレーならまだしも、さすがにカレーライスにカエルは……ねぇ。
とまあ、明治の人たちがどう思ったかはわかりませんが、いつしかカエルはカレーライスの具材から姿を消すようになったとさ。
あ〜、カレー食べたい。