世界恐慌を陰で支えた、あの「サンドイッチ」
何気ない一日に思えるような日が、世界のどこかでは特別な記念日だったり、大切な一日だったりするものです。
それを知ることが、もしかしたら何かの役に立つかもしれない。何かを始めるきっかけを与えてくれるかもしれない……。
アナタの何気ない今日という一日に、新しい意味や価値を与えてくれる。そんな世界のどこかの「今日」を探訪してみませんか?
ピーナツバター&ジェリー・デー
(National Peanut Butter and Jelly Day)
カレーの日、ケーキの日、いなり寿司の日にコッペパンの日……。
日本にいくつも食べものの記念日があるように、アメリカでも特定の食べものを記念する日がたくさん。たとえば、今日4月2日は「National Peanut Butter and Jelly Day(ナショナル・ピーナツバター&ジェリー・デー)」だそうです。
ピーナツバターにゼリー!?
いえいえ、ここでいうJellyとは「ジャム」を指します。そう、ピーナツバター&ジャム(PB&J)といえば、日本で言うところのおにぎり的立ち位置。鉄板かつ安定のど定番。
とくに子どものおやつとして人気なようで、古いデータではあるものの2002年に食品メーカー「J.M. Smucker Company」が実施した全国調査では、平均的なアメリカ人は高校卒業するまでにおよそ1500枚のPB&Jサンドイッチを食べている計算になるんだとか。
こう聞くと、結構な量ですよね。
で、みなさんそれぞれに細かく好みが別れるようで、ピーナツバターもつぶつぶ食感のチャンク派か、ペースト状のクリーミー派かに別れるんだとか。大人は62%が、子どもにいたっては88%がクリーミータイプがお好み。
海苔の直巻きかあと巻きみたいなものと捉えていいんでしょうかね。
さらにピーナツバターも甘めが好みの人もいれば、甘さはジャムに譲って塩味タイプを選ぶ人もいたりと、十人十色なわけですよ。
では、なぜにアメリカでこれほど国民食として浸透したのでしょう?
1883年のシカゴ万博でピーナツバターが初登場した当初、ブルジョワなスプレッドはティールームなどでしか買えない高級品だったようです。これを大衆に落としたのが家庭経済学者のJulia Davis Chandler。1901年に料理雑誌でPB&Jサンドのレシピを考案した人物です。
その後、一般ユーザーも手が届くようになったピーナツバターを使ったサンドイッチは、世界恐慌にあったアメリカで大ブレイク。一気に市民権を得ることとなったそうですよ。
ところで、日本でもコッペパンにジャムとバターをはさんだ菓子パンが存在しますが、PB&Jは食パンが基本。トーストしてお好みのジャムをつけて、コーヒーとともに朝ごはんにいかがです?