世界恐慌、第二次大戦、大衆からの批判。そのとき「ディオール」は......

何気ない一日に思えるような日が、世界のどこかでは特別な記念日だったり、大切な一日だったりするものです。

それを知ることが、もしかしたら何かの役に立つかもしれない。何かを始めるきっかけを与えてくれるかもしれない……。

アナタの何気ない今日という一日に、新しい意味や価値を与えてくれる。そんな世界のどこかの「今日」を探訪してみませんか?

クリスチャン・ディオールの命日

ラグジュアリー、ゴージャス、ハイエンド......。

さまざまに形容される高級メゾンブランドのなかでも、1940年代のデビュー当時、直線的なシルエットが全盛の時代に、その丸みを帯びたデザインが話題となり“ニュールック”と称された「Christian Dior(クリスチャン・ディオール)」は、世界中に多くのファンをもつ、フランス・パリを代表するブランドのひとつです。

今日10月24日は、そんなブランドの創設者であるクリスチャン・ディオールの命日にあたります。

裕福な家庭で育ったクリスチャンは、両親の「外交官になってほしい」という願いとは裏腹にアートの世界へ。友人とともに小さなアートギャラリーを立ち上げます。しかし、アメリカの株式市場の大暴落に端を発した“世界恐慌(1929年〜)”の影響を受け、わずか3年ほどで画廊は閉店に追い込まれてしまいました。

その後、徴兵期間を経て、ファッションの道を歩みはじめたクリスチャンですが、ここでも時代の波に揉まれることになります。第二次世界大戦の勃発です。

戦時下、ナチス配下にあったフランスのファッション業界は、その生き残りをかけ、軍の高官向けの衣服をデザインすることに......。

On est impardonnable d’avoir fait ce qu’on n’aime pas, surtout si on réussit.

(好きではないことで成功する......それは、私にとって許しがたいことです)

今も名言として残る、後に語られたクリスチャンの言葉には、そのときの鬱屈とした思いが込められているのかもしれません。

大戦終結後の1946年、晴れて自身と同名のブランドを立ち上げたクリスチャン。物資不足のなかで贅沢に生地を使ったコレクションに批判の声が上がるなど、またも時代の抵抗にあいながらも、その後は類稀なデザインセンスとこだわりで、クリスチャン・ディオールはフランスを代表するブランドとして世界中にファンを獲得していったのです。

現在は洋服だけでなく、コスメをはじめとしたさまざまな製品をリリースし、時代に則したサステイナブルなアプローチにも挑戦しているディオールブランド。

創設者の没後65年を経ても、今なお“時代”とともに生き、進化し続ける高級メゾンは、きっとこれからも新時代のラグジュアリースタイルでファンを魅了してくれることでしょう。

Top image: © CBS Photo Archive/Getty Images
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。