「男はつらいよ」衝撃のエンディングと現代人憧れのライフスタイル

何気ない一日に思えるような日が、世界のどこかでは特別な記念日だったり、大切な一日だったりするものです。

それを知ることが、もしかしたら何かの役に立つかもしれない。何かを始めるきっかけを与えてくれるかもしれない……。

アナタの何気ない今日という一日に、新しい意味や価値を与えてくれる。そんな世界のどこかの「今日」を探訪してみませんか?

『男はつらいよ』の主人公・車寅次郎の誕生日

「私、生まれも育ちも葛飾柴又です。帝釈天で産湯をつかい、姓は車、名は寅次郎、人呼んでフーテンの寅と発します」──。

この淀みなく謳い上げられる名調子を耳にしたことのある人も多いでしょう。

今日11月29日は、監督・山田洋次、主演・渥美清による名作『男はつらいよ』シリーズの主人公・車寅次郎の誕生日です。

東京・柴又を舞台に繰り広げられるテキヤの寅さんの笑いあり涙あり、そして色恋模様ありの人情物語は、1969年8月27日に第1作が公開され、シリーズが30作を超えた1983年には「一人の俳優が演じたもっとも長い映画シリーズ」としてギネスブックに認定。その後も高い人気を誇り、1995年までの26年間に48作が制作、公開されました。

そんな『男はつらいよ』ですが、映画化される以前にテレビドラマとして放送されていたのをご存知でしょうか?

1968年10月から翌年3月まで、フジテレビ系列で全26話が放送されたテレビシリーズ。ストーリーや展開は映画版のテレビサイズといったところなのですが、その最終回がなんというか......じつにシュール。

「風の吹くまま 気の向くままってやつだよ」という名台詞よろしく、一攫千金を夢見て奄美大島に毒蛇・ハブ狩りに出かけた寅さん。獲物を見つけ、捕らえにかかった瞬間......

「カプッ」

ハブに噛まれ、その出血毒に冒されて、なんと亡くなってしまうのです。さらに、幽霊となった寅さんは、妹・さくらのもとを訪れ、最期の別れを告げるのでした──。

この、あまりにも衝撃的すぎるエンディングに作品のファンは大激怒。テレビ局には苦情の電話や投書が殺到したのだとか。

あまりの反響の大きさから映画化の企画がとんとん拍子に進み、日本映画を代表する名作シリーズが誕生したのでした。

それにしても、場所や時間に縛られず、その瞬間を大切に、情熱的に生きる主人公・寅さんのライフスタイルは、どこか現代のZ世代やミレニアルズが憧れる生き方のようにも見えるのですが......あなたは彼の生き様を、どう思いますか?

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