テクノロジーと社会発展が「気象/気候」にもたらした光と影

何気ない一日に思えるような日が、世界のどこかでは特別な記念日だったり、大切な一日だったりするものです。

それを知ることが、もしかしたら何かの役に立つかもしれない。何かを始めるきっかけを与えてくれるかもしれない……。

アナタの何気ない今日という一日に、新しい意味や価値を与えてくれる。そんな世界のどこかの「今日」を探訪してみませんか?

世界気象の日

干ばつや水害、温暖化などに代表される異常気象や劇的な気候変動は、いまや待ったなし。

しかし、それらはとみに耳鼻にするようになったここ数年でいきなり激化したものなどでは決してなく、人類史がスタートしてから徐々に、しかし確実に進行......いや、悪化してきました。

世界の気象業務を調整し、標準化し、及び改善し、並びに各国間の気象情報の効果的な交換を奨励し、もって人類の活動に資する

今から73年前(1950年)の今日3月23日、上記を目的とした「世界気象機関条約」が発効。同時に「世界気候機関(WMO)」が設立されました。

それを記念して制定されたのが「世界気象デー」です。

世界中でさまざまなイベントやシンポジウムなどが開催され、気象に関する議論が活発に交わされる国際デー「世界気象デー」。毎年、その年のトピックやアクションがテーマに設定されるのですが、2022年のテーマは「早めの警戒、早めの行動」。

2021年のWMOの発表によると、気候、気象がかかわる災害の数は、1970年から2019年の間になんと5倍に。経済的な損失は7倍にも達したといいます。

しかし、災害の被害を受けて亡くなった人の数は1/3にまで減少しているのだとか。

その理由は、人々の防災意識の高まりと、それをバックアップする予測システムや警戒アラートといったテクノロジーの発展によるものだそうです。

とはいえ、「国連防災局(UNDRR)」のレポートでは、2020年、3000万人あまりの人々が気象にまつわる災害で避難を余儀なくされており、2030年には世界人口の約50%が洪水や暴風雨、そして津波の影響を受けやすいエリアで生活せざるを得なくなるのだとか。

いかに技術革新が進んでも、自然の脅威のまえでは文明の力などひとたまりもないことは、ここ数年のうちに起きた災害が人々に与えた影響をみれば自明の理。

さあ、考えてみてください。今、あなたができることが、いったいなんなのかを。

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TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。