プラスチックゴミがレンガに変身。海洋汚染を止める新たなアイデア「Byblock」
深刻化するプラスチックゴミによる海洋汚染。アメリカでは、年間4200万トンものプラスチックが製造されているものの、そのうちリサイクルされるのはたった9%ほどにすぎないそう。
こうした現状に新たな解決策を提案した企業がある。ロサンゼルスを拠点とする「ByFusion」だ。
同社はプラスチック製の建築用ブロック「Byblock」を独自に開発。リサイクル不可能とされていたものも含め、あらゆるプラスチックを材料として使うことができる新素材の登場に、いま、世界が熱視線を送っている。
© ByFusion/YouTube
では、Byblockはどのように作られるのだろうか。
手順は2段階。始めに材料となるプラスチックを集め、集めたプラスチックを高熱蒸気でブロック状に圧縮する。
製造過程での化学薬品や添加剤、充填剤は不使用というし、コンクリートブロックの製造と比較し、温室効果ガスの放出量も41%低くなるなど、環境への悪影響が少ないとなれば、注目しない方が時代を捉えていないと言わざるを得ないだろう。
さらに、床に落としたりハンマーで叩いても割れたり欠けたりすることはなく、その強度はコンクリート以上だとも。
擁壁や防音壁のほか、プランターやテーブルセットといった家具にも用いられることからも、今後も幅広い分野での活躍が期待できそうだ。
ByFusionは2030年までに1億トンのプラスチックのリサイクルを目標に掲げ、廃棄物管理会社や政府、自治体などに対して製造技術や特殊機器「Blocker」の提供をすでに始めている。
普及すれば、「自分が使っていたプラスチックが自分の家の一部になる」という未来もそう遠くないかもしれない。
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