海洋汚染をなげくサーファーが作った「飲めるプラスチック」とは?

人類が発明した便利な素材「プラスチック」。低コストながら加工性も高いので、生活のあらゆる場所で使われていますが、基本的に自然のなかでは分解されず、環境汚染の大きな原因にもなります。

とくに問題に上がるのが、海洋汚染。動物が飲み込んで窒息死してしまったり、有害物質を吸着して体内で濃縮されてしまったりと、事態は深刻です。

そこで立ち上がったのが、インドネシア在住のサーファー、Kevin Kumalaさん。100%天然素材で超安全な“水に溶けちゃう”プラスチックを開発したのです。

タピオカの原料
「キャッサバ」でできたバッグ

「I AM NOT PLASTIC」の文字が目を引くこのバッグは、タピオカの原料にもなっている「キャッサバ芋」のデンプンに、植物油と天然樹脂を組み合わせて作られたもの。

そのため、分解はとっても簡単。海に流出してしまっても数ヶ月で分解され、お湯に入れた場合は数分で溶けてしまうそうです。

飲んでも大丈夫なレベル

もちろん、毒性もありません。Kumalaさんはプロモーション動画のなかで、お湯に溶かしたバッグを飲んで、その安全性を証明しています。

さらにバッグの部分だけではなく、印刷に使っているインクもアルコールを主体とした安全なものを使用するという徹底ぶり。

「いつか、すべてを
生分解性のものにしたい」

じつは、バッグだけではなくストローなどにも展開されています。代表のKumalaさんは、次のように語ってくれました。

「もちろんこのプロダクトを、インドネシアから世界へと広げていきたいと思っています。しかしすぐに達成することは難しいでしょう。

なぜなら、通常のプラスチックバッグは1970年代から現在に至るまで市場を広げていて、それに比べると生分解性プラスチックはまだ市場が成熟していないからです。さらに『生分解性』とは言っても、実際には特殊な条件でないと分解されなかったり、一部しか分解されなかったりすることが多いのも大きな課題です。

それでも、いつかはすべてのプラスチックバッグが自然のなかで分解されるものに置き換わって欲しいと心から願っています。重要なのは、一部の国や地域で行われているような『法による、分解されないプラスチックバッグの禁止』だと思います。

まだまだ長い旅路は始まったばかり、というのが正直な今の私の感想です。未来の世代に、もっと綺麗で自然に溢れた地球を残したい。その思いが、私の原動力になっているのです」

Licensed material used with permission by Kevin Avani

関連する記事

サーフ天国・バリ島はビーチが「海洋プラスチックごみ」で地獄の状態。この問題に、地元とサーフィン界の神様や「空」のイメージがある時計メーカーが一緒に真摯な取...
浜辺へと漂着したプラスチックゴミだけを使って、ひたすらオブジェをつくるプロジェクト
2014年に設立された「eXXpedition」。クルーは女性のみで編成され、海洋プラスチック問題の注意喚起とその解決策を模索している。
生活用品大手の「P&Gジャパン」は、日本で初めて海洋プラスチックを使用した製品ボトルを採用。台所用洗剤「JOY」シリーズより、そのボトルを使った「JOY ...
車に直接連結できるカーテント「CAREX(カーレックス)」。
スキューバダイビング指導団体「PADI」が、エコフレンドリーなアクティブウェアを生産する企業「Rash'R」と協力し、海から回収されたプラスチックボトルを...
オーストラリアのサーファーたちがつくった海専用のゴミ箱「The Seabin」は、水面に設置すると、近くに浮かぶゴミを海水ごと飲み込む仕組み。
近年問題となってるプラスチックによる環境汚染。そんな中、プラスチックカップの代替品としての可能性を秘めたプロダクトが開発されました。
今月から「日本環境協会」運営する認定制度「エコマーク」にて、海洋プラスチックごみを再生利用した製品を対象とする認定がスタートした。
「YKK」が海洋プラスチックごみを主原料としたファスナー「NATULON Ocean Sourced(ナチュロン オーシャン ソースト)」を開発。スリラン...
エルサルバドルの若者たちの更生などを間接的に支援できるサステナブルなトートバッグがクラウドファンディング「Fannova」で販売中。
株式会社コーセーは、イオンスタイル上尾とテラサイクルジャパン合同会社との3社で、「海洋プラスチックごみ」からリサイクルした再生樹脂を使用した「買い物かご」...
Mike Coostsは18歳の時、サーフィン中サメに襲われ片足を失うアクシデントに遭いながら、今も波に乗り続ける義足のサーファー。同時にサメを保護する活...
海洋汚染問題を解決するために考案されたプロジェクト「8TH CONTINENT」。荘厳な佇まいもさることながら、太陽光や潮力による発電で得たエネルギーを利...
54ヵ国中30ヵ国がなんらかのプラスチック袋の規制を設けている、エコ大陸「アフリカ」。6月1日より、タンザニア政府は国内へのプラスチック袋の持ち込みを禁止...
カナダが使い捨てプラスチックの禁止を発表。早ければ2021年にも実施予定です。まずは、レジ袋やストローなどの禁止から検討。今後、具体案を広げていきます。
世界最大のラム酒ブランド「BACARDI」が、使い捨てプラスチックストローを回収して限定レコードにアップサイクル。
中国の国家発展改革委員会が発表した報告書によると、2020年末までに主要都市でのビニール袋の使用を禁止。25年末までには中国全土で使用が禁止されるという。
「adidas Originals」が、NY発のストリートブランド「NOAH NYC」とコラボしたコレクションを発表。今回のコラボレーションは「海洋保護」...
ビール会社CORONAがNPO団体Parley for the Oceansと連携。メキシコ、チリ、イタリア、モルディヴ、オーストラリアの島で、プラスチッ...
世界最大級のタイヤメーカー「MICHELIN」が、スペインのサステイナブルアパレルブランド「ECOALF」と共同開発したローファー「JOHN」を公開。ビッ...
2019年1月1日より、韓国政府は大型のスーパーマーケットでの使い捨てレジ袋の配布を禁止にしました。約2000店舗がこの条例の対象になります。
ウェットスーツの素材を使った財布「SWALLET(スウォレット)」。カリフォルニアのサーファー達の間で人気らしく、陽気なカラーリングがたしかに西海岸のノリです。
「パッケージはエコな生分解性の素材から作るべきだ!」と謳うサステイナブルなブランドが、キノコの菌糸体を使ってプラスチックのように機能するパッケージ材料を開発。
ライターのジョアンナ・シュローダー氏が「YourTango」に書いた「サーファー愛」を紹介しましょう。1月にプロサーファーのケリー・スレーターが、波に襲わ...
水質汚染、温暖化によるサンゴの白化、海洋ごみと、海をとりまく環境問題は、どれもとっても深刻な状況です。そのひとつ、毎年800万トン近くが海へと流れ出ている...
海洋プラスチックを捨てられないアイテムに生まれ変わらせるブランド「buoy(ブイ)」から、偶然集まった海洋ゴミの色を活かして製作した植物鉢、「buoyプラ...
『ひつじのショーン』シリーズの制作スタジオが国際環境NGO「グリーンピース」とタッグを組んで作った"海洋汚染"に警笛を鳴らす短編作品がWebで公開中。
「オーストラリア連邦政府」が、プラスチックによる環境汚染への対応をさらに一歩進める、「国家プラスチック戦略(National Plastics Plan)...
真冬の海に何時間も浸かり波を待つサーファーたち。いくらウェットスーツの防寒性能が向上しているとはいえ、濡れた体で陸に上がれば、寒さが身にしみます。そんな波...