サーフィン界のレジェンドが製作した「ゴミからできた服」。廃棄物が最新トレンドに生まれ変わる!
世界大会をじつに11回も制した、サーファー界の生きる伝説ケリー・スレーター。彼が立ち上げたファッションブランド「Outerknown」、オシャレなことは言わずもがなですが、いま注目を集めている理由はこれとは別。彼がこだわり続けて製品化を実現させた真意には、海を愛する“波乗り”ならではの使命感があったようです。
持続可能な製造工程で、機能性とファッション性をブレンドした「Outerknown」。スレーターはブランドコンセプトをひと言で、こう伝えています。
「既存のスタイルをぶっ壊すにふさわしいブランド。従来のサプライチェーンのフタをこじ開けるものだよ。ボクらはただ、そこにある物を使うだけ。海を漂うゴミから繊維を生み出し、持続可能な洋服をつくったんだ。途方もないことのように思えたけど、今こうして最前線に立つことができている」
デザイン担当として、ジョン・ムーアをクリエイティブ・ディレクターに抜擢。氏はメンズファッション誌『GQ』が選ぶ、2014年「The Best New Menswear Designers in America」にも選出された、気鋭のディレクター。
サーファーが海から上がった後、そのまま仕事に行ったり、レストランに入ってもおかしくない、ファッショナブルなデザインを追求したそう。
海にリスペクトをはらうスレーターのサーファー精神が、「TREND HUNTER」の記事に見て取れます。
海に浮かぶ無数の漁網やプラスチックボトルを、世界各地で目にしてきた彼。自分にできることをやる。「海をキレイに」その目的で回収した大量のゴミを、どうにか再利用する方法があるはずと、2年に渡って温めてきたアイデアを繊維会社に持ち込み、海洋ゴミを再利用した繊維「Econyl」の開発がついに実現したそうです。
いま、世界中の海に放棄された漁網がスレーターの元に集められ、他のナイロンと混ぜ合わせて「Econyl」ができあがります。この持続可能なリサイクル生地は、Tシャツやスウェット製品をはじめ、リサイクル可能な衣類へと生まれ変わっていきます。
ちなみに「Outerknown」の洋服は、どれも着なくなった後、メーカーへと送り返すことで、また新たな服へと100%リサイクルされるそうです。モノを捨てさせない循環型のサプライチェーンにしたい。ここにもスレーターの信念が反映されているようです。
Reference:TREND HUNTER
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