母なる海を救う。海洋ゴミ問題の解決のための「第八の大陸」
もし手もとに地球儀や世界地図があるなら、大陸の数を数えてみてほしい。
地理的な区分から六つ、そして文化的な区分けで七つとなっているその地図に、いつか加わるかもしれない、新たな大陸。
「8TH CONTINENT(第八の大陸)」。
人工的に生み出されたこの大地は、世界規模で危機的に語られる、海洋プラスチック問題に対する新たなアプローチだ。
©2017 Lenka Petrakova
2017年、スロバキアのデザイナーであるLenka Petráková氏が芸術大学の卒業制作としてスタートさせ、2020年に発表したこのデザインプロジェクト。
海洋建築シーンで名の知れているフランスの建築家のジャック・ルジュリの財団が主催するアイデアコンペティションでアワードを獲得した「8TH CONTINENT」は、SF映画やファンタジー系RPGに登場しそうな荘厳な佇まいもさることながら、太陽光や潮力による発電で得たエネルギーを利用して、プラスチックごみを集め、リサイクル可能な素材に分解するという、そのサステイナブルなテーマやシステム設計がじつに斬新だ。
©2017 Lenka Petrakova
この施設には、海洋保全に向けた研究をおこなう「The Research and Education Centre」としての役割も。
研究員のための居住区が設けられているのだが、海水を淡水化して活用する蒸留システムを完備しており、温室では植物を育てることもできる。
地球上の海洋ゴミが海流によって集まる“太平洋ゴミベルト”。そこに誕生するかもしれない第八の大陸は、地球と生物の未来を担うユートピアになるのだろうか──。
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©2017 Lenka Petrakova
©2017 Lenka Petrakova
©2020 Lenka Petrakova
Top image: © 2017 Lenka Petrakova