海底に誕生する国際研究施設「プロテウス」
海洋は地球の表面の71%を占めているが、「米海洋大気局(NOAA)」のデータによると、人類は世界の海の約5%しか探索していないという。
そんな、もうひとつの宇宙とも呼ばれる“深海の世界”に海底版「国際宇宙ステーション」を建設するプロジェクトが持ち上がっているようだ。
潜水技術者のファビアン・クストー氏と工業デザイナーのイヴ・ベアール氏が構想する「プロテウス」は、世界中の研究者が滞在可能となる居住施設兼研究施設。
高床式2階建てのこの円形建造物は、本体から突き出たポッドが特徴的で、どこか深海生物を連想させるようなデザインだ。
©Fabien Cousteau's PROTEUS™. Concept designs by Yves Béhar and fuseproject.
1階部分には大きなムーンプールが設置され、そこからダイバーや潜水艦が出入り可能に。
風力、太陽エネルギー、海洋温度差発電が動力源となっており、世界初となる食料生産用の水中温室も設置される予定だという。
海底に居住施設を設置すること大きなメリットのひとつが、ダイバーの加圧・減圧作業に関してだ。
一般的に100メートル以上の潜水をおこなうダイバーは、数日間から数週間かけて加圧・減圧作業をおこなう必要があるらしい。本来であれば浮上のたびに実施する必要があるが、海底に滞在可能なスペースがあれば、より長時間の潜水が可能になるというのだ。
人類の未来を大きく切り開く可能性を秘めたこのプロジェクト。同プロジェクトは現在支援者を募集中で、準備が完了すれば3年で建設することが可能とのことだ。
©Fabien Cousteau's PROTEUS™. Concept designs by Yves Béhar and fuseproject.
Top image: © Fabien Cousteau's PROTEUS™. Concept designs by Yves Béhar and fuseproject.