4年後、人類の「海底居住」は現実に。めっちゃ快適らしい

人類を、水中で暮らせるようにする──。

海洋技術・探査企業の「DEEP」が、2027年にその野望を達成しようとしている。

©DEEP

いくつもの球体が連なったこの施設は、「DEEPシステム」と呼ばれる水中居住施設。

これは、人間が生活できる居住区画「センチネル(Sentinel)」を中心に、潜水艇や潜水機器、科学研究機器から構成された革新的なシステムだ。

従来の水中施設は、仮設的で固定されたものだった。

一方でDEEPシステムはモジュール式を採用しており、拡張や回収、再構築・再展開が可能。用途に合わせ、自在にカスタマイズできるのだ。

さらに自立しているため、水中での生活や活動における自由度が広がり、根本的で効果的な方法を提供しているといえる。

2年間にわたって革新的な製造プロセスと材料科学を集中的かつ先駆的に研究した後、DEEPは高度な技術設計レベルに到達。なんと生産段階に突入、2027年までに一般公開する予定だという。

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DEEPシステムの実装によって、科学者たちは最大28日間、海の中で生活することができるようになるという。

これらの施設は水深200メートルまで潜れるため、世界の大陸棚のほとんどにアクセスが可能

また、この深度は表層水域全体にアクセスできるということでもある。表層水域とは、太陽光が海に浸透する最も深い地点で、海洋生物の90%はここに生息しているといわれている。

海面からだけでなく、海域の全容を包括的に調査できれば、科学者が海洋を観察・理解する方法が一歩変わることになるだろう。センチネルが実現する革新的な調査に、多くの期待が寄せられている。

居住スペースを覗いてみよう!

さて、センチネルは丸くてかわいらしいだけじゃなくて、水中に住めるっていうんだから、好奇心がくすぐられる。

DEEPによれば、センチネルシステムは他の海底居住施設とは異なり、インテリアもカスタマイズ可能なんだそう。

最高のパフォーマンスを発揮できるように、DEEP内の様々なチームがあらゆる面で協力して、快適な睡眠美味しく栄養価の高い食事暖かく快適な生活環境を整えるためにこだわり抜いて設計したんだとか。

最大で28日間もこの球体の中で生活するとなると、本当に快適なのか気になるところ。それでは早速、居住スペースの中をのぞいてみよう。

ロビー

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スペースの広い空間で、開放的な印象。各方向に開けられた丸窓からは、海中の様子も一望できる。

窓を覗けば一面に広大な海……これって、“究極のオーシャンビュー”では?

ベッドルーム

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これは、居住者一人ひとりのパーソナルスペースとプライバシーをプライバシーを守るために設計されているらしい。

小さく窮屈に見えるこのベッドだけど、実は185cmの男性でも快適に睡眠が取れるようなサイズ感なんだって。ベッド下に収納もあって便利。

 

バスルーム

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トイレとシャワーが一緒になったユニットバス。

このバスルームには着替えスペースもあり、そこには着替えを収納できるロッカーと、洗濯乾燥機も置いてあるんだそう。

キッチン

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ここは、別の居住者とも関われるシェアキッチン。

壁に埋められた食器棚たちがミニマリスト感あってシンプルでおしゃれ。

水道水が出るだけじゃなくて、なんとお湯も沸かせるらしい。このキッチンがあることで、住人たちは健康的な食生活を送れるようになるんだとか。

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ワークスペース

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研究者たちのために設計されているだけあって、ワークスペースならぬ研究室も完備。

画像からの推測だけど、モニターっぽいデバイスには人の顔と思わしき映像が。この場所、インターネットを接続してオンライン会議もできるのかも!?

海中に居住する目的とは?

革新にあふれた「センチネル」を建設する目的を、DEEP社のEMEAプレジデントであるSteve Etherton氏はこう語る。

「我々は海を保護する必要がある。そのためにはまず、海を深く理解する必要があるのだ。」

Etherton氏は、海に関して「驚くほど未知のままだ」と指摘している。天候や気候に影響を与える海は、多くの環境問題に関連している。それにもかかわらず、技術的な制約もあって未だに解明されていないことが多いのだ。

「私たちの革新的な技術──センチネルによって、科学者たちが海底で長時間活動することを可能にし、少しでも生命を育む環境の理解に貢献することを願っている」。

Top image: © DEEP
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。