【調査結果】約1億年前の微生物が復活......!
先月28日、「海洋研究開発機構(JAMSTEC)」が、深い海底地層から採取した約1億年前の微生物が復活したとの論文を、英科学誌『ネイチャー・コミュニケーションズ』を通して発表した。
約1億年前というと、地上にはまだ恐竜がいた白亜紀と呼ばれる時代に該当する。海底下にはプランクトンの死骸やチリなどが堆積する地層が存在し、そこでは微生物ですらも動き回ることができないため、当時の状態が保存された状態になっているらしい。
今回の実験では、その地層から430万年前、1300万年前、9540万年前、1億150万年前の試料を取り出し、餌となる物質と酸素を与えて培養を開始。
その結果、微生物は平均で77%が生きており、とくに1億150万年前の微生物は99%以上が生きていると判断された。
主任研究員である諸野祐樹氏は、微生物はエネルギー消費量をほぼゼロに抑え、堆積物中に存在する微量の酸素により生き延びたと説明。
しかし、このような過酷な環境で約1億年を生き延びたというメカニズムに関しては謎に包まれており、今後はその具体的な仕組みを解明していくという。
じつに1億年という途方もない期間を過ごした生物たち。恐竜たちと共に生きた生物が復活したとは、なんともロマン溢れる調査結果である。
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