誰でも簡単に「エイジング」できるシートが誕生
農林水産省および環境省の推計(平成29年度)によると、日本では年間2550万トンの食品廃棄物が出され、このうち、まだ食べられるのに廃棄される食品(いわゆる食品ロス)は、およそ612万トンにも及ぶそう。
こうした捨てられていた食べ物を微生物の力を応用してエイジングをかけ、おいしく食べ、ロスを減らそうという画期的な技術が登場した。
明治大学で微生物学を研究する村上周一郎教授が、熟成肉を製造するレストラン経営者と協力し開発した「エイジングシート」は、肉や魚の保存期間を伸ばし、さらに風味や食感を良くしておいしくするという、魔法のようなシート。
秘密はエイジング(熟成)にあり。本来、熟成庫内で2〜3か月かけて菌や微生物が食品を覆うことでエイジングされる工程を、より簡単に意図的に目当ての菌だけを付着させるよう、菌の胞子を付けたシートを完成させた。ちなみに熟成期間も従来の1/3で済むようだ。
「食品ロス」という目の前の課題解決はもちろんだが、世界の食品流通を根底から変えるようなイノベーションに、世界が注目している。
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