海洋ゴミを回収して建設 「海中都市」が近未来すぎる!

世界の海に浮遊する海洋プラスチックゴミを再利用して、海中に持続可能な都市空間を建設する。発想が飛躍しすぎて、もはやSF映画のようですよね。これを大真面目に実現させようとしている建築家がいます。もしかしたら、近い将来、人類の生活の場は海の中。なんてことが実現するかも!?


海洋ゴミを再利用して
海中に未来型都市を建設!?

2015年6月、ポルトガルで「世界海洋サミット」が開催されました。議題に挙がったのは、近年深刻化する海洋ゴミ問題。昨年2月に実施された調査チームの発表によると、現在、世界の海を浮遊するプラスチックゴミの総量は、およそ1億3,000トン。更にその量は、毎年約500〜1,300トンずつ増えている計算に。

この、海を汚し続けるプラスチックゴミを回収したうえに、再利用し、人間が生活できる海中都市をデザインしようというのが、ベルギー人建築家のVincent Callebaut氏の壮大なプロジェクト「AEQUOREA」です。空の上から見れば宇宙船のようにも見えなくない。ところが、海の下へ目を向けてみると…。

クラゲから着想を得た
持続可能な浮島

Callebaut氏のデザインがいかに斬新奇抜かを説明するには、海中に目を向ける必要があります。思わず絶句、もしくは吹き出してしまいそうなこの海の中のイメージ。これはもしや…そうです、クラゲ。彼は、浮島の形状をオワンクラゲの姿から着想を得たんだそう。このクラゲ型海中ビル建設の基本構造の一部に、3Dプリントを用いて、海洋プラスチックゴミを再利用しようというのです。

Callebaut氏によると、AEQUOREAの建設予定モデルは北太平洋をイメージしているんだとか。ここには、海流に乗って流れてきたゴミが集中する海域「太平洋ゴミベルト」があります。つまり、こっちから海流ゴミを回収にしいかなくても、潮の流れで集まってくるエリアに設置することで、効率よくゴミを減らし、都市を建設しようという試み。

それぞれのユニットは、約2万人規模の人々が生活する居住空間、レクリエーション施設、ビジネス空間にセクションが分かれる予定。さらには、水面より上では野菜や果物を栽培し、人々の食料となるようです。

1,000mの深海で水耕栽培?
自給自足できるらしい

では、海の中にだらーんと垂れた無数の触手は、どのように使われるのでしょう。実はこれ、開いたり閉じたりしながら、波や海流の影響、さらには強風による構造全体の揺れを軽減するためのものだとCallebaut氏。

これだけで本当に大丈夫?かどうかはさておき、触手が開ききった際の幅が約500メートル、海中はおよそ1,000メートルの深さに達し、そこでは科学技術を応用し藻類、プランクトン、貝類などを飼育する水耕栽培可能なプラント併設をイメージしているようです。この発想力がスゴい!

2065年、人間の生活の場は
海の中かも知れない

まるで巨大水族館。ユニット内にも草木が生い茂り、地上と同じような憩いの場が設けられている(予定)。

窓の外にイルカやシャチが見える居住空間。

Callebaut氏のコンセプトは、今から50年後の2065年を描いたもの。この壮大な海中都市計画が実現するか否かは、また別のお話。ですが、もしもこのまま地球温暖化が進み、海面上昇に歯止めがかからないとしたら…。未来を見つめる建築家のアイデアを、荒唐無稽だなんて笑ってはいられないのでは?


Licensed material used with permission by VINCENT CALLEBAUT ARCHITECTURES PARIS
海には、世界全体で毎年800万トンものゴミが捨てられている。このプロジェクトなら大量の海洋ゴミを最小限のエネルギーで回収し、再利用できるかもしれない。20...
浜辺へと漂着したプラスチックゴミだけを使って、ひたすらオブジェをつくるプロジェクト
フランス・マルセイユでは、ゴミ拾いとカヤックを融合させたアクティビティが誕生し、5月30日にはコンテストが開催される予定です。
1960年代から、化石燃料や電力網などのインフラを必要としないオフグリッドハウスを研究、建設し続けているアメリカ人建築家がイベントを開催です。
NASAのScientific Visualization Studioが、海に浮かぶゴミの量やその流れを追い、科学的に可視化した動画を紹介しています。こ...
毎年800万トンものプラスチックが海に捨てられている。この問題を解決するために考案されたプロジェクト「The Ocean Cleanup」は、自然エネルギ...
アムステルダム近郊で集められたプラスチックゴミを利用して作られてた「フラワーベース」。マーブル模様はひとつとして同じものがありません。
建設されればされるほど、環境に優しい街が形成されていく。建築家Richard Moretaさんがデザインしたのは、ゼロエミッション化を実現する街づくりの第...
2018年6月に、アメリカン・エキスプレスが海に漂流しているゴミを材料としたクレジットカードを製造し、1年以内に実用化させると発表しました。
海上都市の研究機関Seasteading Instituteは、フランス領ポリネシアと協力し、太平洋に浮かぶ人工都市を作るプロジェクトを進めているそう。完...
サステイナブルな居住開発に取り組む「国連ハビタット」。進行する地球温暖化とそれによって生じる海面上昇を踏まえて、水に浮かぶ都市について議論しました。
海を漂流するプラスチックゴミをはじめ、世界中で深刻な問題となっているのが投棄される産業廃棄物。この問題に対して、まったく新しい切り口からアプローチする取り...
世界中のコスプレイヤーの力で海を一緒に守っていこうというアクション。海洋ごみを減らす衣装の作り方や、再利用による衣装の作成等、衣装を造作する上での海洋ごみ...
海を愛する二人のヨットマン。いくら拾い集めてもキリがないビニール袋やベットボトルといった浮遊ゴミを片付ける目的で、海にゴミ箱を設置しました。場所はヨットが...
11月19日から東京・六本木の「森美術館」で近未来の人間像を考察するための展覧会「未来と芸術展:AI、ロボット、都市、生命——人は明日どう生きるか」が開催。
オランダにある建築事務所『MVRDV』がデザインした「天津濱海図書館」は、壁一面が本棚となっている。ロビーにある大きな球体は、外から見ると巨大な「眼」に見...
9月8日に「The Ocean Cleanup」のゴミ回収作業が、サンフランシスコで始まりました。太平洋ゴミベルトに7万トン以上あるといわれている廃棄物の...
Adidasが使い古されたスニーカーを再利用して、ラグマットを作りだしました。彼らと手を組んだのは、ドイツの環境先進企業「I:CO」と、オランダのテキスタ...
マレーシアのマラッカ市に、リンギットの利用を廃止する都市が誕生します。代わりとなるのが仮想通貨「DMI」です。
「Below The Surface」は、70万ものゴミがいつの時代に製造されたのかを記録しているサイトです。