ペットボトルやビニールが吸い寄せれれる「海のゴミ箱」

海を愛する二人のヨットマン。いくら拾い集めてもキリがないビニール袋やベットボトルといった浮遊ゴミを片付ける目的で、海にゴミ箱を設置しました。場所はヨットが係留されているマリーナ。

専門的な知識がなくたって、まずはアイデアを形にしてみること。その大切さを教えられる、海の男たちの発明です。

浮遊ゴミを回収する
“海のゴミ箱”

海のゴミ箱海のゴミ箱 浮遊ゴミ

オーストラリア人のPete Ceglinskiさん(写真上)とAndrew Turtonさん(写真下)。彼らの共通の悩みは、自分たちの愛する海がどこからともなく漂流してくる浮遊ゴミで汚れていくこと。ペットボトル、缶、ビニール袋。海に漂うものはそれだけではありません。油や燃料、洗剤など、魚や海鳥たちの生命を脅かすものも含まれています。
それら一つひとつを人力で拾い集めるには、海はあまりにも広大すぎる。そこで、汚染問題を解決するため、彼らが開発したのが「seabin」。海のゴミ箱です。

海水ごとゴミをひと飲み
勝手に吸い寄せられる?

海水ごと回収 海のゴミ箱

Turtonさんが抱えるこれが“海のゴミ箱”の正体。なんとも不格好なこのseabinを、海中にドボンと沈めていきます。すると…あら不思議!海面を漂うゴミが、ゆらりゆらりとゴミ箱へと近づいてきて、そのままツルん。

海のゴミ箱 仕組み

原理はいたって簡単。水面数センチに沈めたseabinが、海水ごとゴミを飲み込んでいきます。ちょうどお風呂にバケツを上からググッと沈めていったとき、淵からお湯が流れ込んでくる、あの感覚に近い。しかし、こちらは循環ポンプの動力型。seabinの底から順次パイプから排水し、ろ過フィルターを通してまた、海へと海水を戻していきます。seabinの吸引力は、小魚を巻き込まない程度に小さくも最大の効果を発揮する計算だとか。


浮遊ゴミ

じゃあ、実際どのくらいのゴミがこれで集まるかというと、ご覧のとおり。結構な量でしょ。ただし、seabinの内側にフィルター代わりのネットを取り付けているため、これが満タンにならないよう、こまめに人力でゴミを回収する必要が。この辺りのアナログ感、海を愛する男たちのひらめきから生まれた自作感が出ていて、ちょっとほっこり。

ひとつでは微力でも…
複数設置でドミノ効果

海のゴミ箱 複数設置海を愛する2人のヨットマン

それでも、たった1つのseabinでマリーナ全体のゴミを吸い集める訳にはいきません。彼らの目的は、マリーナ全体に複数個設置することで、ドミノ効果式に連鎖反応を起こし、波による影響やゴミ溜まりを作らない工夫を考えているんだとか。

あくまでもこれはプロトタイプだと主張する二人。現在、クラウドファウンディングIndiegogoにて資金調達中。彼らの思いつき感と急ごしらえの手作り感が、妙に応援してあげたくなるから不思議です。

Licensed material used with permission by SEABIN PROJECT
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。