スローライフの先駆者に学ぶ、「シンプルに生きる」ことの極意

何気ない一日に思えるような日が、世界のどこかでは特別な記念日だったり、大切な一日だったりするものです。

それを知ることが、もしかしたら何かの役に立つかもしれない。何かを始めるきっかけを与えてくれるかもしれない……。

アナタの何気ない今日という一日に、新しい意味や価値を与えてくれる。そんな世界のどこかの「今日」を探訪してみませんか?

National Simplicity Day
(シンプル・デー)

物にあふれた文明社会に生きる私たちも、未開の辺境での生活を経験すれば、本当に必要なものとはなにかを自分で知ることができる──。

作家で自然主義者のヘンリー・デイビッド・ソロー(1817-1862)の代表作『ウォールデン 森の生活』より抜粋した一文です。

人間と自然をテーマにした作品を得意とし、物質文明とは、本当の豊かさとは何かを問い直したソローは、20代の後半、米マサチューセッツ州のウォールデン池畔に自ら小屋を建て、豆畑を切り拓き、およそ2年2ヶ月にわたり自給自足の生活を送りました。

今でいうところのスローライフを実践し、自然との触れ合いの日々から「人間はどう生きるべきか」という問いと向き合い、前述の回想録を書き上げたのです。

人と自然のありかたに一石を投じたソローの思想は、のちの時代の作家や詩人に大きな影響を与えただけでなく、1960年代にはヒッピーやナチュラリストからも支持され、今日でもアウトドア愛好家に多くの信奉者がいるほど。

さて、長々とソローについて記述したのも、7月12日がソローの誕生日にあたること、そして彼の思想にちなんで生まれた「National Simplicity Day」をご紹介したかったから。

読んで字のまま、シンプルに過ごす1日。

日々のタスク、タイムラインに溢れる情報の洪水、行き帰りの満員電車、便利なはずがより複雑さを増したテクノロジー……そうした日常の煩雑さや慌ただしさから一歩身を引いて、シンプルに過ごすことで、人間が本来あるべき姿を取り戻そう。といった意味合いが込められているんだそう。

「物をたくさん持てば持つほど、それだけ貧乏になる」とするソローの考え方は、現代でいうこところ「ミニマリズム」や「禁欲主義」ともまたすこし違い、「生きかた」の本質を突いているように思えてなりません。

慌ただしさから解放され自分自身を見つめ直すことで、心の豊かさを手に入れる。今日という1日はまだ始まったばかりです。いつもより、すこしだけ「シンプル」を心がけてみてはいかがでしょうか。

Top image: © iStock.com/FilippoBacci
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