「牛のゲップ」に税金がかかる……ニュージーランドの課税案、あなたはどう思う?
ウソかホントか信じがたい話が、この世の中にはいくつも存在する。
近ごろちょっとした話題になっているニュースの一つが、ニュージーランドが牛や羊のゲップに税金をかける案を発表したというもの。
「いやいや冗談でしょ」と思ってしまうようなこの案、じつはリアルに発表されたもので、地球温暖化を招く要因の一つである温室効果ガスの発生源の多くが、家畜のゲップだからというのが理由だそう。
とくに、ニュージーランドは人口約500万人の国ながら、牛と羊を合わせた頭数は人口の7倍を超える約3600万頭。国全体の温室効果ガス排出量の55%を家畜が占める異常事態が続いている。
そんな状況を打破しようと打ち出されたのが、この課税案で、メタン1kgごとに約9.42円、二酸化炭素または亜酸化窒素1kgごとに約34.42円の税金がかかる。
理屈は分かるが、家畜に「ゲップしないでくれ」と頼むのはムリな話だし、これには多くの畜産農家が頭を抱えているに違いない。
ただ、飼料に対して2%ほどの乾燥させた海藻を混ぜることで、メタンの発生を9割以上も抑えることができるという研究結果も発表されており、意識的な対策もできるようだ。
地球温暖化の抑制になるのならアリという意見と、ちょっとやりすぎという意見で賛否が分かれるこの課税案は、どう判断されるだろうか?
なお、もしこの案が可決された場合には2025年からの実施だそうで、税収は農業の研究、開発などの資金に充てられる予定となっている。
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