「地球が私たちの唯一の株主」……会社の新たな所有形態を発表した「パタゴニア」
アウトドア用品で知られる企業「パタゴニア(Patagonia)」の創業者イヴォン・シュイナード氏とその家族が、同社の所有権を手放して、発行済み株式30億ドル(約4300億円)相当を環境団体などに譲渡することを発表した。
これにより、「パタゴニア」の事業に再投資されない資金のすべてを地球の自然を守るために活用していくという。
気になる株式が譲渡される先は、ふたつの団体。
ひとつは同社のミッション&バリューの維持、継続されることを目的に設立された非営利団体「Patagonia Purpose Trust」。議決権付株式(全株式の2%)を保有することになる。
そして、残る無議決権株式(全株式の98%)が移管されるのが「Holdfast Collective」。受領した資金のすべてを自然や生物多様性の保護と、活発なコミュニティをサポートして環境危機と闘うために使用していく。
©Patagonia PurposeTrusti
今月14日にイヴォン・シュイナード氏は、「パタゴニア」の WEBサイトへ「今や、地球が私たちの唯一の株主です」と寄稿。
企業が果たすべき社会的責任(CSR)を体現する、あらたな方法を示した今回の株式譲渡。上記の創業者からのメッセージでは以下のようにも記載している。
私たちは自然から価値あるものを収奪して富に変換するのではなく、パタゴニアが生み出した富をその源を守るために使用します。地球を唯一の株主にするのです。私は真剣です。この地球を守ります。
Top image: パタゴニア創業者 イヴォン・シュイナード © Campbell Brewer