世界初、カーボンニュートラルな「V12」デビュー

伊自動車メーカー「デ・トマソ」の本気──。

昨年公開された新型ハイパーカー「P900」は、車好き待望のV型12気筒自然吸気エンジンを搭載。専用設計の1万2300rpmまで回転する6.2L、V12エンジンは最高出力900psを発生させる。

そしてP900の軽量なカーボンからなる車体は、わずか900kgという驚きの軽さを実現している。

何より衝撃なのは、「世界初のカーボンニュートラルなV12」であるということ。というのも、P900は合成燃料(e-fuel)のみ使用できる仕様となっているのだ。

ということで、合成燃料についておさらいしておく。

合成燃料とは、二酸化炭素と水素を合成してつくられる燃料。原料となる二酸化炭素は工場から排出されるものを再利用し、将来的には大気中二酸化炭素を直接分離し、回収する「DAC技術」を用いることが想定されている。

水素に関しては再生可能エネルギーを用いて水から水素をつくる水電解を行って調達することを基本的な方法とし、再生可能エネルギーを用いた合成燃料は「e-fuel」と呼ばれ、期待が集まっている。

最先端技術を用いた燃料を用いたエンジン車は、カーボンニュートラルへの向けての大きな一歩となる。

電気自動車の普及が進むなかで、カーボンニュートラルを目指す自動車業界の新たな選択肢として、合成燃料を使うエンジン車は、筆者のような内燃機関を愛する車好きにとっては期待が大きい。

P900は18台の限定生産、価格は248万ポンド(約4億1000万円)からとなっており、V12モデルの納車は2024年以降になる見込みだ。今年納車を希望する場合はV10モデルが納車されるらしい。

© De Tomaso Automobili / YouTube
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