ブラジル政府が「キロンボ」の人口数などを調査することを発表

ブラジルには、植民地時代にアフリカから強制連行され、その過酷な労働環境を理由に逃亡した人々が自らの手で築き上げた「キロンボ」というコミュニティが存在する。

今もその子孫たちは貧しい暮らしを余儀なくされているが、ブラジル政府は彼らに対して十分な支援を行なっていないと言われている。

通信社「AL Jazeera」によれば、今年、132年の歴史で初めてブラジル政府は、国勢調査の対象にキロンボのメンバーを含めることになったそうだ。

新型コロナウイルスによるパンデミックが起きたにもかかわらず、キロンボにはあまり支援を行わなかったことを理由に、たくさんのアクティビストがこれに抗議の声をあげた。こうした影響もあって、国勢調査の対象に含める決断に至ったことは想像に難くない。

SDGsが掲げている「誰一人取り残さない」を実現するためには、マイノリティの権利について考える必要が出てくる。ブラジル政府の決定は、多様性豊かな社会をつくり上げるために大きな意味があるに違いない。