ブラジル政府、インフラ整備事業でスペースXとの提携を発表
進む巨大IT企業の事業進出。
その筆頭である「テスラ」と「スペースX」を率いるイーロン・マスクが、また大きな事業に乗り出したようだ。
今回発表されたのは、衛星インターネットプロバイダーでもあるスペースXの一大事業。ブラジル政府が、地方のインターネット接続やアマゾンの熱帯雨林保護の事業にあたってスペースXと提携する方針を発表したのだ。
ブラジルのファリア通信相はツイッターにて、テキサス州でマスクと面会した際の写真や動画を投稿。
動画の中でマスクは、ブラジル国内のインターネット隔絶地域をはじめ、学校や病院など不便を強いられているあらゆる人に向けた回線提供への意欲を表明。
さらに、インターネットによる強固な情報網がアマゾン地帯の監視を強化し、違法伐採防止などの森林保護へと活用する計画も示唆された。
© Fábio Faria/Twitter
ファリア通信相は声明で、「ブラジルの無線LAN整備計画にスペースXの技術を統合させたい」と発言。
詳しい内容や提携の条件などは発表されていないものの、これらの事業はスペースXが進めている「スターリンク計画」との繋がりを感じさせる。
スターリンク計画とは、人工衛星を用いて高速の通信網を整備する大プロジェクトで、地域を問わず世界人口のほとんどをカバーできるというもの。一方で、ブラジルの国立宇宙研究所は独自に衛星画像によるアマゾンの監視を実施しており、スペースXとの提携に関しては知らされていないという。
詳細が発表されていないとはいえ、一ベンチャー企業が国家のインフラ整備を担うというのは、巨大IT企業がどれほどの影響力かを物語っている。
これから先、これらの企業はどこまで大きくなるのか?
来年には日本でもスターリンク計画のサービス提供が開始される予定ということで、マスクとスペースXの動向にも注目だ。
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