4歳児4000万人以下、ペット7000万匹以上。人口減少の中国が抱えるリアル

人口減少が始まっている中国。その傾向は今後も続くと見られており、近い将来、ペットの数が子どもの数を上回ると予測されているようだ。

中国、2030年までに
ペットの数が幼児人口の倍に

「ゴールドマン・サックス」の調査によると、2030年までに中国の都市部におけるペットの数は幼児の数の約2倍になるとの予測。ペットの数が7000万匹を超える一方で、4歳未満の幼児の数は4000万人以下になると見込まれているという。

こうした状況の背景にあるのは、20歳〜35歳の女性人口が減少していること、そして、若い世代が子どもを持つことに消極的になっていることなどが挙げられる。このため中国の出生率は、2030年までに約4.2%減少する可能性が。対して中国のペットフード市場は、120億ドル規模にまで成長すると見られている。

人口減少と晩婚化のなか
「家族=ペット」がスタンダードに

じつはこの状況、興味深いことに7年前の2017年は真逆にあった。ペットの数が4000万匹なのに対して、4歳未満の幼児の数はおよそ9000万人だった。ところが政府の統計調査が示すデータでは、2023年に中国の人口が2年連続で減少、25歳〜29歳の半数以上が未婚であるなど、近年は人口減少と未婚化・晩婚化が進んでいるという。

現状に歯止めをかけるため、中国は結婚を専攻する学部を新設するなどの対策を講じている。しかし、家庭を築く=ペットを飼うというスタイルが確立されつつある昨今では、現状の改善は簡単ではないのかもしれない。

ちなみに日本はというと、2022年の時点でペットの数は4歳未満の幼児の数の約4倍らしい。隣国が直面している問題は、決して他人事ではなさそうだ。

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