BMWの「色が変わるクルマ」は、人類には早すぎたかもしれない
クルマの色で迷う時代は、過去のものとなってきている。
「BMW」が、電子書籍を応用して外装を変えるシステムを発表し、世界に衝撃を与えてから1年が経った今月。
さらなる進化を遂げ、今度は「ボディカラーを自由に変えられるクルマ」が発表された。
ラスベガスで開催された「CES(Consumer Electronics Show)2023」にて、最新のコンセプトカー「BMW i Vision Dee」が公開。
ボディ表面に使われているのは、昨年公開された「E Ink」の技術をさらに発展させたもの。これまではモノクロにしか対応していなかったが、32色の中から自由に選べるように。
しかも、外装の電子ペーパーは240枚に分割されており、それぞれを別の色にすることもできる。単色だけでなく、モザイクやストライプといったデザインを纏わせることもできるのだ。
色の変更はわずか数秒で行えるということで、“日替わり”どころか気分次第でいつでも衣替えができてしまうのは革命的と言える。
また「デジタルによる未来の体験を、内からも外からも提供する」というコンセプトであるi Vision Deeは、内部の構造も斬新。
フロントウィンドウは全面がディスプレイで覆われ、表示される情報はすべてタッチ操作で決定する。
さらに、音声制御やドライバー支援システムに対応していることから、ARコンテンツなどのメタバース的な画面を表示することもできるというんだから……文字通り、“内側も外側も”最新技術が詰め込まれた鮮烈な一台というわけだ。
i Vision Deeは今のところコンセプトカーにとどまっているが、先のディスプレイ「BMW Head-up-Display」は、2025年に発売される「NEUW KLASSE」シリーズにて実装されるそう。
わずか数年後、街を走るカラフルなクルマはメタバースへのエントランスとなり、ドライバーの意識はもはや現実世界の外にある……いまを生きる我々が想像するとカオスだが、そんな未来がやってくるかもしれない。